baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 被災地のガレキ処理

 被災地に2,000万トンから積み上げられている瓦礫の処理が一向に進まず、復興の妨げになっていると言う。先日国会で野田佳彦が、政府として各自治体に協力要請を文書で出すと表明してから、メディアなどでも大分取り上げられるようになった。東京都は真っ先に、何事にも旗幟鮮明な石原慎太郎が受け入れを表明して既にかなりの時間が経つが、それ以降追随する地方自治体は未だ二県程度だと思う。東京では、市民団体に反対運動をする隙を与えぬ突然の発表だった。勿論、事前に放射性物質による汚染の有無は確認し、日常のゴミ焼却と変わらない事は実証してあった。しかも、受け入れるのは焼却ゴミだけである。
 テレビでは受け入れを表明したい自治体と、それに反対する市民の会合などがニュースとして流れている。同じ日本人として、反対派のような心の腐った日本人が平然と跋扈しているのを見ると本当に情けなくなる。先ず、反対の根拠がまるで薄弱なのである。福島の瓦礫は除外されているから、受け容れるのは宮城や岩手の瓦礫なので、ほぼ安全である。従い、放射能測定をしても平常値の範囲内である。ホットスポットからの瓦礫の可能性はあるが、受け入れ自治体は何れも放射能測定は必ず実施し、平常値内の瓦礫のみを引き取るとしている。にも拘わらず、問答無用で反対の体なのである。曰く、風評被害が恐い、曰く、環境汚染が恐い、曰く、何か自分達の知らない事が隠蔽されているのではないか、等々。要するに根拠の無い屁理屈ばかりである。一部には、特定の政治思想に脳神経が冒されている活動家に、日本をダメにする為にその片棒を担がされている人達が含まれているのかも知れない。一方で、政治家は、選挙民の顔色ばかりを伺って強硬突破が出来ないでいる。国政から地方政治に到るまで、日本全国ポピュリズムに汚染されている。事の善悪や人として何を為すべきか、だけでは物事の判断が出来なくなっている。
 受け入れに反対する人達は被災地の惨状には我関せず、とにかく自分さえ良ければそれで良い、後は野となれ山となれの人達である。こういう輩にかぎって、自分の権利は人一倍振り翳すが他人の痛みは知ろうともしない。2000万トンを超える瓦礫を抱えて身動きが付かない被災地に、少しでも援助の手を差し伸べようと言う気はまるでないのである。日本の伝統・文化は同胞の苦労を看過出来ない事であった筈である。戦の最中に敵に塩を送った武将の昔話が、「馬鹿」「お人好し」ではなく『美談』として語り継がれるお国柄である。それが昨今は、自分さえ良ければ全て良し、と言う利己主義の塊のような風潮が浸透しているようである。日本人なら恥を知れ、と言いたい。こんな根拠の無い理屈を楯に、他人の痛みを知ろうともしない乱暴な反対派は、全員1ヶ月でも半年でも被災地での瓦礫撤去の強制労働に送ってやれば良い。