baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 久しぶりに墓の手入れ

 昨日、今日と墓の手入れをした。昨日は絶好の行楽日和で、僕もバイクで何処かへ行こうかとも思っていたのだが、朝ニュースを聞いたらもう高速が何処も行楽の車で猛烈な渋滞になっている。この時期は出掛けるなら、余程早い時間に出掛けないと無理なようである。そこで遠出は諦めて昼から墓へ行った。場所は都営の小平霊園、休日の昼間で片道一時間程である。もう直ぐ親父の祥月命日なので、何れ今週中には墓の手入れをする積りであったから丁度良い。
 今回は少しサボっていたので、ほぼ4ヶ月ぶりとなる。それに前回は植木の剪定には時期が悪かったので、今回は刈り込みもしなければならない。と言う事で昨日は車に脚立と道具一式を積み込んで出掛けた。誰かが捨ててくれたようで枯れた花はなかったけれど、木が伸び放題で大変な騒ぎになっている。この数年比較的マメに手入れをしているので、木にも元気が戻って来て、葉の繫り具合が大分良くなってきた。結構な事なのだが、これは急がないと終わりそうもない。昼食を摂ってから出たので、陽はもう少し傾き始めている。
 休みも取らずに必死に木を刈り込んだ。植木は6本、一通り刈り終えて気が付いてみればもう4時を大分回っている。霊園のアナウンスで、入園は4時半、車は5時で出られなくなると伝えている。しまった、冬時間だったのを忘れていた。植木の手入れは、後始末にまた酷く時間が掛かる。先ず隣の墓地に落ちた枝や葉を拾い集めるのだが、何処のお墓も小石を入れているから箒で掃く訳に行かない。一つ一つ手で拾い集める必要がある。その中に持参した30ℓのごみ袋が、枝の切り口が刺さって大きく切腹してしまった。頻繁にゴミを捨てに行かねばならなくなった。
 車の出口の事は実は余り気にしていなかった。何とかなるだろうと高を括っていた。しかし普段花を買う石屋も5時で閉まる。隣の墓に落ちた枝や葉は一通り綺麗になったので、石屋が閉まるギリギリに花を買いに行った。霊園の入口から墓までは歩くと5分以上掛かるので、一応脚立などの道具を車に積み込んで、車で行った。高を括っているからまた車で戻って来る積りであった。何とか売れ残りの花を買い、戻ろうとしたら本当に入口が閉まっている。仕方がないので、今度は花の入った桶と借りた箒を持って歩いて戻った。道具は先に仕舞っておいて正解であった。花を供え、水を掛けておざなりに拝んだが、自分の墓の後始末がまるで終わっていない。草も初夏に抜いたきりだから相当荒れている。植木だけはさっぱりと形も整ったが、どうにも落ち着きが悪い。未だ置いてあった切腹したゴミ袋に、落ちている枝と枯葉と、ついでに雑草を引き抜いてはごみ置き場に出す作業を再び始めたが、晩秋の夕暮は釣瓶落としであっという間に陽が暮れてしまった。
 諦めて桶と箒を返しに、と言っても石屋の表の隅に置いておくだけなのだが、取って返した。そうしたら出口で車が何台か出られないで立ち往生している。実は戻る時には未だ出口は開いていたので、余程出口から車で入ってしまおうかと悪い心が動いたのだが、自制して良かった。事務所には未だ人がいたけれども、あれは相当意地悪されて絞られるであろう。それでも5時半までは出口は開いていたから、彼等も随分と高を括ったようである。夜は少し腰が痛かった。
 今日は仕事があるから、墓に行く予定はなかった。しかし、昨日の出来が中途半端でどうにも気に掛かる。幸い仕事も暇だったので、昼からまた出掛ける事にした。今日は植木の手入れはないので、大きな道具は必要ない。それでも剪定鋏と鋸と新しいごみ袋と軍手だけは持って、バイクで出掛けた。もう一度隣の墓に落ちたゴミを丁寧に拾い集め、やおら自分の墓の草むしりを始めたら、これがまたキリがない。実生の木が生えていたりするので、小道具を持って来て正解であった。
 今日は新たな発見があった。我が家の墓には柘植の木が一本あるのだが、あちらこちらに柘植が根を張って芽を吹いている。と今までは思っていたので、何時も芽だけ摘んでいた。それで根元がどんどん大きくなってくる。今日は一つを思い切り引っ張ってみた。そうしたら根元が浮いてくる。更に渾身の力を入れて引っ張ってみたら、何と柘植の木とは繋がっておらず、実生か接ぎ木の如く其処から生えていたのである。長さ30−40㎝に育った直径三センチほどの根の片側に、髭根が無数にぶら下がっている。これを根こそぎ取ったら、酷くすっきりした。他のも試したみたら、更に二つほど根こそぎ取れた。残りは今日の処は歯が立たずに諦めて、芽だけ摘んで良しとした。
 枯葉をかき集め、30ℓのごみ袋を何回捨てたろうか。今日はバイクなので時間は気にしなくても大丈夫、車止めの間を擦り抜けられるのである。結局また5時過ぎまでやっていた。霊園の出口は平日の今日は、きっちりと5時に閉められたが、今日は狼狽えている車は一台もいなかった。僕はと言えば、今日は納得のゆく仕事ができ、我ながら大満足である。