baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 懲りない民主党の高速道路無料化

 僕は初めから民主党の高速道路の無料化には反対していたので、本ブログでも何度か痛烈に批判した。もう書き飽きた。それでも民主党は懲りずに、無料化実験を更に拡大させると言う。財源が無い、無い、と言いながらもこんな愚策に、来年度は年間1,300億円からの国費を投入すると言う。
 国会では野党が民主党マニフェストの破綻を追求し、「詐欺フェスト」が完全に破綻したのだから、もう一度国民に信を問うべきである、として早期衆院解散、総選挙を迫っている。これに対し菅直人以下は、マニフェストは全てとは言わないが随分と実現している、と強弁を続けている。実施率を金額で見れば、こんな強弁は通らない事は一目瞭然で、民主党マニフェストは完全に破たんしている。しかし、そういう強弁をする材料としても、他の公約に比べれば桁違いに金額を小さくした高速道路無料化実験は格好の材料なのであろう。実際には当初の公約では1兆3000億円の支出を見込んでいたのだから、これも公約違反の誹りは免れないのだが、当初から高速無料化は国民の間でも支持が少なかったから誰もそれほど気にも留めていないのであろう。
 今般は、従来の実験路線に加え、更に路線の追加と、夜間の貨物自動車の無料化である。貨物自動車の無料化は、裏に陸運労組の後押しでもあるのであろうか。鉄道や航空輸送に対する明らかな差別である。特に鉄道輸送には打撃であろう。僕は当初から受益者負担の原則を貫くべきと声を嗄らして言い続けているのだが、今般のトラック優遇も正に受益者負担を無視した無茶苦茶な不公平政策と言える。
 無料化実験は相も変わらず、僕等のように東京に住む者にとっては殆ど縁のない、遠方の地方の高速道路ばかりが対象である。それなのに税金で負担する限りは、僕等も割り勘の片棒を担がされている。これも、とんでもない不公平である。勿論、普段から交通渋滞が慢性化している東京近辺では、土日の1,000円高速ですら渋滞を酷くして迷惑千万なので、東京近郊で無料化をしてくれなどとは口が裂けても言うつもりはない。しかし、例えば東京外環道のように民主政権が凍結してしまった高速道路建設がある。外環道は今は凍結は解除されたが、当初の予算に比べれば雀の涙の予算がやっと付けられた程度で、完成の見通しは全く立たなくなってしまった。
 僕達にすれば、同じ税金を使うなら僕達にも恩恵のある計画にも財源を回して欲しいのである。外環道が完成すれば、都心の渋滞は大幅に緩和されると見込まれている。実際、首都高新宿線の開通で悪名高かった山手通りや環七の渋滞は相当緩和された。外環道の環八や中央道、関越などの渋滞緩和に与える影響は計り知れない。東京でも金があるならやって欲しい事があるのである。しかも、東京の高速道路の利用者は8割が他県からの流入であると言う。つまり、東京の渋滞緩和は日本全体に取ってもそれだけの経済効果が見込めるのである。それなのに、殆ど経済効果もない地方の高速の無料化実験に拘り続けるのは、それこそ仕分けの対象にするのが妥当な無駄遣いと言える。
 僕は高速道路は、受益者負担の原則に戻すべきであると考えている。そして、鉄道もトラックもフェリーも飛行機も、公平な原則の下で競争をするべきである。民主党は無意味な高速道路無料化実験などには早々に見切りを付けて、それで浮くなけなしの財源をもっと有効な、国民みんなの為になる施策に使うべきである。