baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 続 地震

 何をした訳でもないのに、昨日からのこの30時間位でがっくり疲れてしまった。東京は今日も、東北と茨城と長野からの余震で大した事はないのだがひっきりなしに体感地震が続く。テレビを見れば想像を絶する三陸沿岸の津波被害で、言葉もない。新しい映像も紹介され始めたが、どれも津波の猛烈なエネルギーをまざまざと見せつけてくれる。その上午後は福島原発の事故で酷い緊張を強いられた。
 何よりも困るのが電話が通じない事である。今日の午後からは昨日よりは増しになったが、それでも肝心の電話が繋がらない。いざと言う時に電話が繋がらない事がどれ程苦痛である事か。友人の小学生の孫は電車が止まって動けなくなったが、電話が繋がらず親切なコンビニに何時間も居させてもらい、夜になってやっと連絡がとれたそう。子供は心細かっただろうし、親も定めし心配であったろう。
 テレビで繰り返される津波の映像を見ていたら、午後3時29分の福島原発1号の敷地際で放射能濃度が異常に上がったというニュースに続き、3時31分に爆発があって建屋の外壁が無くなってしまったというニュースが出た。そして原発の建物の朝の映像と爆発後の比較映像が流され、作業員が4名負傷したと言うニュースである。言うに事欠いてテレビで専門家が、勿論可能性としてではあるが炉心溶融だとか恐ろしい事を言い出し、夜に入ると今度は政府が避難区域を原発を中心とした10km圏から20km圏に広げると言い出した。流石にチャイナシンドロームでも起こるのかと心配になった。政府も中途半端なニュースを流さないように気を付けたのであろうが、それから8時30分の政府の発表までの時間が本当に長かった。都内に住む知り合いは慌てて2週間分の缶詰を買い、水を確保して2週間は籠城出来る準備をしたと言う。幸い、爆発は原子炉を傷付ける物ではなかったこと、放射能レベルも下がっていてコントロールされている事、などがはっきりしてやっと幾分ほっとした。このまま無事に原子炉を大人しく寝かしつけて欲しい。
 一方で、気の毒な友人がいる。彼の実家は気仙沼で、今は母親と姉妹が住んでいる。彼自身は偶々仕事で欧州に出張していたのだが、地震直後に日本に電話を入れた時には未だ電話が繋がって、妹と母親が出かけた先で地震に遭い、山の方で無事であった事は確認できた。その直後に大津波が来襲して、それ以降全く連絡が取れなくなってしまった。急遽予定を変更して、先程成田に着いたが、相変わらず連絡は取れないそうである。道路も電車も未だ不通で、手の打ちようがなく、気の毒な事この上ない。妹さんは僕も良く知っているので、無事でいて欲しい。津波気仙沼で何kmくらい内陸に入ったか分からないが、彼の実家は5km位入った所だそうだからギリギリ大丈夫だったかも知れない。それよりも火事が恐い。とにかく携帯も繋がらない状態では、生死も分からず家が残っているのかも分からないから、今は掛ける言葉も無い。
 一方で、この巨大地震と巨大津波菅直人にとっては天佑かも知れない。何だか急に元気になって朝からヘリコプターで被災地を視察したり、野党に対しては来年度予算案とそれに付随する関連法案を問答無用で早く通せ、そして早く復興の為の補正予算を組みたい、と自分勝手な事を迫っている。報道陣に対する談話では「命を掛けて被災者の救援、生活支援、そして被災地の復興に取り組む」などと馬鹿でも言える事を言っているが、今だから少しも不自然には聞えない。今なら気の毒な被災者を出汁にすれば誰も文句を言わない。それどころか、日頃何を言いたいのかさっぱり分からない国会答弁の菅直人を見付けていると、当たり前の事を言っているだけなのに今日は何だか頼もしくすら見えてしまうから恐ろしい。
 こんな大災害で延命するとすれば、何とも悪運の強い男である。しかし幾ら緊急事態とは言え、無意味なバラ捲き政策までドサクサに紛れて通ってしまうと言う事は断じて起きないようにして欲しい。復興支援と、既に破綻している愚劣な民主党マニフェストとはしっかり区別をし、メリハリをはっきりさせるように野党の諸氏には呉々も注意を喚起しておきたい。