そろそろ自分の生活のペースを取り戻そう

　大震災以降、何をするにも被災地の事が気になって、どうも身が入らなくなっている。ゴルフもキャンセルしたし、バイクの遠出もキャンセルした。ゴルフはとても遊ぶ気にはならなかったし、バイクも気が乗らなかったのに加えてガソリンも無かったからこちらは外的理由もあったのだけれど。やはり被災直後の気仙沼へ行った事が相当影響しているのであろう。テレビで見るのとは全く違う、圧倒的な迫力に叩きのめされたのである。
　取り敢えず被災地への寄付は済ませ、今もボランティアで茨城県や県警の発表をインドネシア語にする仕事は未だ続けている。流石にジャカルタ出張中にはそんな時間もなくて数日お休みしたが、今日からまた復帰した。しかしそれはそれとして、どうも毎日が少々空虚になっていると感じ始めている。被災地の人々が気の毒で仕方がないのはそうなのだが、だからと言って何時までも被災者に慮って何もしないのも釈然としなくなって来ている。先日、美術館に行くのに酷く気が引けた事も一因である。そう言えば、毎年今日はエープリルフールのネタを外人のバイク仲間に流して誰かを引っ掛けて大喜びしていたのだが、今年は今思い出すまで思いも付かなかった。心の余裕が失せているのであろう。
　運が良かったのだ、と割り切って以前と同じ生活が出来る程僕はドライにはなれないが、かと言って被災者を気にして何もしなかったとしても被災者には何の助けにもならず、単なる僕の自己満足に過ぎない。しかも、残された僕の時間は無駄に過ぎて行く。大震災から今日で丸三週間、4月に入った事だしそろそろ生活のペースを元に戻そうとやっと思い始めた。
　勿論引き続き、役に立てるなら出来る事は何でもするし、被災者の支援には精一杯の協力はする心算である。その為の増税も総論では已むを得ないと思っている。犠牲者の冥福を祈り、被災者が一日も早く通常の生活に戻れるように願いつつ、しかし僕も明日から少しづつ自分の生活のペースを取り戻す事に決めた。春だもの。