baiksajaの日記

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 早くも主要閣僚の辞任 〜 野田内閣

 鉢呂吉雄が就任後僅か一週間で早くも経産相を辞任した。閣僚の中でも最も重要な地位の一角を占める経産相の辞任は、未だ組閣早々の野田内閣へ与えるダメージは大きい。元々僕は野田内閣の中で最も懸念される閣僚の筆頭に鉢呂吉雄を上げたのだが、そんな悪い予感が的中してしまった。もっとも僕の懸念は鉢呂吉雄経産相の器ではない、余りにも国際的なセンスが欠如している、思想的にも企業を代弁するのは難しいのではないか、という懸念であったのだが実際にはもっと遥かに次元の低い、福島県に対する風評被害を増幅するような、常識の片鱗も感じられない愚かな発言と仕草で辞任に追いやられた。
 どうやら鉢呂吉雄には、自分が原発再稼働の鍵を握る立場にあり、経済界、産業界を背負って立って日本の不況脱出の先陣を切らなければならないという自覚など微塵もなかったようである。そんな事を裏付ける、ただただ呆れ返る発言であった。そもそも好き好んで避難している訳でもない地域住民の心を踏み躙った「死の町発言」、そして日頃から福島県民が被害を受けながらもなんとか立て直そうと必死に闘っている風評被害を増幅するが如き「放射能汚染をうつしてやろうか」発言。身分不相応にも大臣と言う大層な地位に成り上がったのが嬉しくて、自分の発言が惹き起す影響などには気も回らぬまま、有頂天の失言をしてしまったものであろう。松本龍前復興担当相の発言と言い、民主党の閣僚の不用意、非常識、不適切な発言は目を覆うばかりである。菅政権では他にも柳田稔元法相が失言から辞任しているが、折角の事例も何の反面教師にもなっていないようである。だからと言って、二言目にはやれ問責決議だの総理の任命責任だのと息巻く自民党にも、もう少し何か知恵はないのかと言いたくなる。二言目には何時も同じ文句を並べるだけではないか。せめてもう少し気の利いた科白をひねって欲しいものである。
 同じく僕が懸念した小宮山洋子も大臣になれたのが嬉しくて舞い上がってしまい、就任の記者会見で早速たばこ税の帰属は厚労省とすべきである、タバコは一箱700円にすべきである、などと政権政策とは無関係な持論をぶち上げた。たばこ税を復興財源に充当する為に増税すると言う意見は既に民主党内にも出ていたが、タバコ栽培が東北地方の重要な産業である事を鑑みて、タバコ販売量が落ちる増税は今は時期が適切ではないとされたばかりだと聞く。そんな配慮は何処吹く風、しかも税金は財務相官轄事項であるにもかかわらず、たばこ税は自分の官轄にすべきだとの発言である。もともと社会党出身の代議士だから与党議員としての覚悟や素質などは初めから皆無であり、増してや端から閣僚の器ではないから仕方がないのだが、閣僚が何たるかが全く分かっておらず、自分の好みだけで言いたい事を言っている愚か極まりない大臣であることを、早速自ら証明してしまった。
 僕の懸念はやはり当たってしまった。この際小宮山洋子も早く自分から辞任した方が良い。そうしないと、もっと大事になってから辞任に追い込まれるようになれば、野田佳彦任命責任はいよいよ免れ得なくなる。実際、ただでさえ人材がいない民主党の中で、派閥の均衡を図る人事をやるために実施した不適材不的所のツケは予想外に早く回って来てしまった。野田佳彦は早速各閣僚に、政府方針を踏まえた発言に徹するように注意したと言う。しかしいくらそんな指示をしても、所詮低能、経験不足、不定見の輩が多い民主党閣僚を率いるのは並大抵ではあるまいと、同情すら感じてしまう。しかしもうこれ以上の不祥事を起こさない中に、せめてもう一人、国会答弁になったら何を言い出すか分からない小宮山洋子ぐらいは早目に辞任させないと野田政権は本当に保たなくなると危惧する。