baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 大相撲

 大相撲の秋場所が今日から始まった。本来相撲は大好きなのだが、ここ数場所は何だか白けてしまってあまり熱が入らなかった。プロの興行に、やれ八百長だ、やれ暴力だ、と善人面を下げて大騒ぎするメディアや政治家や、したり顔で物を言う弁護士や大学教授、所謂知識人と称する得体の知れない連中に厭気したものである。別に八百長が良いとは言わないが、公然とトトカルチョがある訳でも無し、一対一のプロの勝負の世界の事など傍からは誰にも分かるまい、それよりも面白ければ良いではないかと思うのである。八百長を言い出したら、今迄の大相撲の記録など、どれもいい加減なものであろう。でもそれで世間が納得していたのだから、それはそれで良いではないか。
 相撲部屋の暴力沙汰にしても、弟子が死ぬほどやるのは明らかな遣り過ぎだから刑事事件にして、やった張本人の親方を処罰するのは良い。しかし連座して相撲界を追放された褌担ぎは気の毒だったと思う。親方に言われれば拒絶のしようがないではないか。それを協会では誰も庇わずに、結局トカゲの尻尾切りで追放してしまった。偉そうにしている理事長以下の面々も、自分達が同じ道を歩んできたのに素知らぬ振りであるのが酷く腹立たしかった。実際、棒で殴った、竹刀で殴ったぐらいで一々大騒ぎする事はない。殴られる方も普通の人間ではなくて鍛え上げているから、素人が考えるほどダメージを蒙る訳ではない。大体、立ち合いで国技館中に「カーン」と音がする程頭同士でぶつかっても脳震蘯をおこす訳でもなく平然としている力士達である。口で言っても聞かなければ殴るしかない、しかし普通に殴った程度では一向に堪えないから道具を使うしかあるまい。先日亡くなった鳴戸親方の暴力沙汰が新聞で話題になったが、殴られた方は外出の時に決められている浴衣を着ない外国人幕内力士であるから余程腹に据えかねた挙句の指導だったのであろう。周囲が大騒ぎする程の事ではない。警察もストーカーの相談を受けながらみすみす射殺させてしまう様な怠慢が続いているのだから、余計な事に首を突っ込む暇などない筈である。一体にこの頃の警察は少し可笑しい。事の軽重が分かっておらず、やるべき事はやらないクセに妙に重箱の隅をつつく様な些細な事、しかも余計なお世話で大騒ぎしている。
 と今年は色々と大相撲絡みで鬱陶しい年であったが、日本人新大関が誕生し、更に豊真将が三役に上がり稀勢の里大関取りに挑戦する今場所は久しぶりに血が湧く場所になりそうである。勝っても感情を顔に出さないポーカーフェースの琴欧州が贔屓なのだが、ここ数場所はまるで気魄の無い相撲で、今日もバタバタしていたのが気に入らないが、新大関琴奨菊は万全であったし、稀勢の里も見掛け程危なげはなく勝った。稀勢の里は勝って眼に涙していたから、今日の一戦には故鳴戸親方によほど期する処があったのであろう。勝てて良かった。豊真将はあっけなく土が付いたが、相手が白鳳では仕方がない。白鳳は強いだけではなく品格のある大横綱となったから、当分は大相撲の要として頑張って貰わねばならない。