baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 上野公園

 今日は昼に忘年会で都内に出たので、分かれた後に上野に回った。息子の作品が上野公園の中と藝大のアートプラザに展示されているので、ついでがあれば見て欲しいと言う「自称」親バカな親戚からの連絡があったので、それを見るのが目的であった。公園の中の作品は今年の春に見に行った物が選ばれて展示されているのだが、春に見た時よりも自然の中で遥かに存在感を発揮していて、うっかり見逃してしまう処であった。美校の中の展示は即売会形式で、少々値が張るので買うのは控えたが、大理石を彫った中々の力作である。
 帰りに上野公園の中を少し歩いた。東京にいながら実は上野公園を歩いたのは子供の時以来である。動物園が何処にあるのかも知らなかったので、動物園が思わぬ処に出現したのに驚いた。西郷隆盛銅像はその後も何度か見掛けているが、それが何処にあるのかは正確に意識した事がなかった。往きと違う道を辿ったら、東照宮があったのでここにも初めて立ち寄ってみた。生憎建物は改修中で境内しか見られなかったが、境内には大きな石灯籠が沢山置かれている。近付いてみると、奉納された時代が慶安だとか文久だとか江戸時代なのである。狭い境内だが、参道の両側に大きな灯籠が所狭しと並んでいた。隣には立派な五重塔が聳えている。昔、不忍池から遠望した事はあるが、近くで見ると奈良や京都のそれに劣らぬ立派な五重の塔である。
 園内をブラブラ歩きながら上野駅に出て来ると、アメヤ横丁が眼に入った。実は僕は今まで「アメ横」も知らなかった。折角なので上野側からブラブラと歩き始めると、何とも曰く言い難い、下町の雰囲気の横丁が続く。両側には廉価な商品を並べた商店が軒を連ね、威勢の良い掛け声が追いかけて来る。まるで市場の雰囲気であり、またどことなくバリ島の観光地を連想させる。キョロキョロしながら歩いていたので鴨に見られたのだろう、売り子に呼び止められてつい好物のタラコを買ってしまった。それで気がついたのだが、ここでは言いなりの値段で買ってはいけない、値切れば値引いてくれたのである。東京では余り値切る習慣がないので、つい言い値で払いそうになって慌てて値切ったが、買い気を見せてからだから余り成功しなかった。それでも近所のスーパーで買うより大分安かったので、良しとした。灯台下暗しで、この歳になるまで都内の事を何も知らずに過ごして来たのである。