baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 世間が明るくなってきた

 先月、業界の賀詞交換会があった。政権交代後初の会合である。昨年末より、折からの円高是正の−僕は敢えてこの言葉を使うのだが−お蔭で業界の売り上げが伸びている。中国向けの売上げは未だ厳しいが、その中国向けも年末より徐々に回復して来ている。総体的に今年は昨年に比べて明るい予想である、との協会幹部の挨拶であった。乾杯の音頭を取った別の幹部は「民主党はDemocratic Partyではなく、Discount Partyであった」と、株価やドル価の水準を皮肉っていた。ここでは、少なくとも参会していた会員各社の幹部の顔色が明るくなっていた。招待されていた多数の官僚も、最近になく饒舌であった。まだ如何と言う経済政策の結果が表れている訳ではないが、去年までの暗い雰囲気が一掃された印象は顕著であった。株価の安値是正にも、其処彼処から安堵の声が漏れていた。大きな声では言わないが、原発再開への期待も盛り上がりつつあった。
 今日は車の半年点検で、近所の販売店へ行った。整備を待つ1時間ほどの間ショールームの様子を見ていたのだが、客が引っ切り無しに入ってくる。普段ならお茶を引いていて僕のところで無駄話をして行く担当のセールスマンが、ずっと接客で遠くから挨拶を交わすのが精一杯なのである。客は僕の様な整備の客は他におらず、みな家族連れで車を買いに来ている風情である。僕の車の整備が上がり、帰ろうとした時にやっと手の空いたセールスマンが挨拶にやって来た。もう日が暮れようという時に、これから千葉に納車だと言う。千葉なぞ片道一時間も掛かる隣県に何故と思ったのだが、車の在庫の具合なのであろう。聞けば来週は九州にまで納車に行くと言う。そんな遠方にまで納車をしなければならない程、注文が多い事が窺われる。忙しそうだね、と言うと「はい、お蔭様で忙しいです」との笑顔が返って来た。手短に話を交わした限りでは、やはりこの2-3か月、急に忙しくなったと言う。新発表の車が好評な事もあるが、お客様の顔が明るくなったと言う。
 本当にこの3年間は日本全体が沈滞ムードに陥ってしまっていた。日本全体が自信喪失になっていたかの様であった。そんなひ弱な日本を見透かしたような中韓の暴虐には平身叩頭、円高にはなす術がなく、日本の産業の空洞化は指を咥えて見ているだけであった。単に経験がないだけではなく、暗愚な宰相を頂いた無能で痴愚蒙昧な政権が3年間も続いた。己には知恵もないのに、敢えて官僚の知恵を使おうとしなかった。官僚も口を開けば口元が淋しい事もあり、底意地わるく敢えて黙していた。実際、例えば宮内庁長官は筋を通そうと小沢一郎の如きやくざ者に抵抗して、逆に無体を押し通された挙句に恫喝されてしまったものである。有頂天だった民主党に、あの時ほど腸の煮えくり返った事はなかった。許されるなら、特に小沢一郎には度重なる無体と売国奴的な行動に、天誅を下したかった。しかしここに来て、漸く民主党が如何に酷い政権であったかが際立って来た。安倍政権の支持率を見ても、国民も目が覚めたと思われる。だからと言って、自民党が全幅の信頼を得ている訳ではない。石破茂がいみじくも言っている様に、いまこそ謙虚に国民の声を聞き、決して思い上がらない事である。それでこそ20年の計の政権運営が可能になろうと言う物である。