baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 スマトラでまた地震

 また、数日インドネシアに出張していたのだが、持参したパソコンが何故か壊れていて全く使えず、このブログも数日お休みする羽目になった。
 昨日、またスマトラ沖で地震が起きた。僕はジャカルタにいたのだが、ジャカルタでは殆ど揺れは無く、一緒にいた友人が微かな揺れに気付いた程度で、僕は気が付かなかった。夕方の5時16分、ニュース番組ではサモア津波のニュースがメインだったのだが、地震速報が流れた。その時は未だこれ程の被害が出るとは予想もしなかった。
 パダンというのはスマトラ南西部の大きな町である。両端が反り上がった、一見舟形の屋根がパダンの街並みの特徴である。僕も訪ねた事があるが、今回の地震でパダンの大きなホテルが軒並み4軒も壊れたと言うからその時に僕が泊まったホテルも崩壊して犠牲者が出ているのかも知れない。パダンの北80km位の所にブキット・ティンギという名勝地がある。インドネシアのグランドキャニヨンと言われる、岩肌が屹立した場所である。更にその少し北に赤道が通っている。パダンの町については、昔の総督府だった建物が美しかったのが印象深かった。
 インドネシアは元々余り地震のない国だと聞いていた。しかし、火山帯に位置しており火山は多い。未だにしばしば噴火する活火山もある。そんなところが地震には縁がないとは思えなかったが、案の定地震は多い国であることが分かった。特にスマトラ、ジャワ、フローレスなどに地震が多い。僕の駐在中にもジャカルタでビルの天井が落ちるほどの地震が一度あった。また先頃の北スマトラの大地震と、それに続く津波アチェを初め、タイ、スリ・ランカなどが大被害を蒙った惨事は未だ記憶に新しい。
 インドネシアの建築物、特に一般家屋は地震には全く抵抗力がない。建築基準に地震は殆ど考慮されていないし、一般家庭にはそもそも建築基準がない。従い建築は安くて早いが、耐震設計がなされていないから少し大きな地震があると建物が崩壊して多大な犠牲者が出る。更に建物の崩壊や道路の崩落が重機の搬入を拒み、瓦礫の除去が出来なくなる。その結果更に犠牲者が増加する。いつも同じ事の繰り返しだが、如何ともし難い現実である。また、発展途上国には共通する問題だが、市民の行政に対する信頼が欠如しているので一旦災害が起きるとパニックが発生し一層被害が拡がる。東京消防庁から早速救助隊が派遣されるらしいが、迅速な判断と迅速な受け入れが少しでも被害者の救出の一助となり犠牲者が減ることを祈るばかりである。