baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ついに近所に本屋がなくなる

 自宅の近くに個人経営の書店が以前は数件あったものだが徐々に減ってしまい、最近は大手のチェーン店が一軒だけ最寄り駅の近くで頑張っていた。そこも、本だけでは成り立たないのかCDやDVDが売り場の三分の一位を占め、またマンガや雑誌、週刊誌が全体の4割位を占めていた。それでも、単行本や文庫本のコーナーもあり、限られた書棚ではあったが好きな作家の新しい本を見付けたり、裏表紙のストーリーのあらましなどを見比べて面白そうな本を選ぶ楽しみはあった。それが、これからは雑踏の大きな駅まで出掛けて、大手書店まで足を運ばないといけなくなる。
 昨今の活字離れはあちらこちらでよく耳にする。また、読書も電子ブックとかで、ネットでダウンロードして電子手帳の様な器具で読める便利な世の中になり、本の需要が想像以上に落ちているのであろう。さらに、アマゾンのようなネット販売が普通になってしまい、わざわざ本屋に行かなくてもネットで注文すれば翌日には届くようになった。CDやDVDは確かに店頭で探すよりネットで検索して注文した方が手っ取り早いと僕自身も思う。本でも、何を買うかが決まっていればネットの方が簡単で、且つ値段も多少なりとも安くなる。本屋が消えゆくのが不便で寂しいと感じる僕ですら、実は昨今はネットで買う方が多いと言う自己矛盾を抱えている。
 最近はスーパーもネットで注文すれば配達してくれるようになった。正直、魚や野菜、果物のような生ものは実物を見ないとなかなかネットだけで注文するのは勇気がいるが、工業製品であればどこで買っても一緒だから、殊に足が弱っているご老人には重宝なシステムだと思う。ひょっとすると本屋がなくなるように、生鮮食品まで遠くまで足を運ぶかネットでしか注文できなくなる時代がくるのだろうか。
 便利になるのは結構な事だが、旬の食材を見付けて献立を考えるような習慣は廃れて行くのだろうか。日本は諸外国に比べても食材が非常に豊富だと思う。それだけに、便利さと、店頭で思いもかけぬ旬の食材を見付けそれらを見比べながら買い物をする楽しさが、上手く両立して欲しいと思うのである。
 ついに、近所に本屋が一軒もなくなる寂しさと不便さに、種々想いを馳せるこの頃である。