baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 大相撲千秋楽

 大相撲が白鳳の圧倒的な強さで閉幕した。年間最多勝利記録を書き換えての全勝優勝である。年間90日の本場所取り組みで、86勝という数字は素晴らしい。しかも本当に綺麗な、相撲らしい相撲で勝っている(11月18日本ブログ)。本割で年間6番6連勝という対朝青龍戦も史上初だそうである。
 しかし千秋楽の相撲全般は、単に昨日優勝が決まったからだけではない、力の抜けた相撲が多く興ざめであった。結びの横綱対決が数日ぶりの朝青龍の気迫の籠った善戦であったことで少し救われた。それ以外は引き技と、その引き技に為す術もなくばったり両手を付く相撲が多かった。「こんちは相撲」ではないかと思われても仕方がない程気迫に欠けていた。実際、毎場所千秋楽は星の遣り取りのような相撲が目立つと思うのは僕が素直ではないのであろうか。
 そして、白鳳に続く力士がまるで見当たらないのが淋しい。大関琴欧州がやっと二桁勝利、それも負け方が無様である。後の大関は取るに足らない星勘定である。大関という地位は未だ横綱を締める事は許されないが、相撲の地位では既に最高峰なのだから余りみっともない星勘定の力士は進退を考えるべきである。規定では陥落しても救済措置もあるし、引退が強制される訳ではないが、再起可能ならいざ知らず例えば2勝8敗で休場した千代大海はもう再起は望むべくもないのだから、潔く引退したら良いと思う。魁皇も幕内最多勝利まで後一勝というのは大したものだが、6場所全てがぎりぎりの8勝7敗というのは既に大関の地位を辱めている。千代の富士北の湖武蔵丸などの横綱を差し置いて幕内最多勝利を名乗るのも恥ずかしかろう。二位の806勝ぐらいで良しとして、今場所限りで引退したらどうだろう。引き際も日本の伝統美である。
 将来有望な相撲取が中々出て来ないのには、親方の能力不足と小部屋の乱立が影響しているのだと思う。相撲の再起を掛けて、相撲協会は親方の資格を試験制にしてはどうだろう。また部屋の数を整理して、もう少し纏めてはどうだろう。先ず、人格、社会人としての常識、相撲道への造詣、親方に相応しい指導理念、などを試験で判断して、試験をパスした元力士だけを親方にするのである。弟子をまともに躾けられず、審判をしていて力士の名前を間違えるような高砂親方などは真っ先に落第であろう。そういう資質のない親方に育てられると朝青龍のように力士としての人格に欠陥のある力士が出来てしまう。大横綱と言われる素質と実績のある朝青龍にとっても、外国の精神と伝統をしっかり教えて貰えなかったのは不幸な事であった。次に、単に株を買って後援者を見付ければ新たに部屋が起こせる現在のシステムは良い面もあるとは思うが、小部屋が増えて部屋の中での競争や切磋琢磨がなくなり、その結果有為な力士が中々育たなくなってているのではなかろうか。日本の伝統を守る為にも、相撲協会として新たな手を打つべき時期だと思う。