baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 大相撲初場所

 昨日から大相撲初場所が始まった。僕は大の相撲ファンなので、相撲が始まるとなるべく夜の約束は遅めにする。今場所は、未だ二日だが力相撲が多くて見応えがある。飛んだり跳ねたり引いたり、というボクシングまがいの白ける相撲が殆ど見られない。このまま千秋楽まで、良い相撲を見せて欲しいと思う。
 今日、大関魁皇が幕内最多勝利記録に並んだ。明日は全く精彩のない千代大海との対戦なので、恐らく新記録を達成するであろう。明日勝てば幕内通算808勝となる。過去800勝を越えたのは千代の富士北の湖の二人だけだから、物凄い記録である。あの大鵬ですら746勝、貴乃花に至っては僅か701勝である。僅かと言うと語弊があるが、貴乃花ですら701勝、双葉山に継ぐ連勝記録を打ち立てた千代の富士で807勝、と聞くと魁皇の記録の凄さが実感される。反面、多くの相撲取りを得意の小手投げでダメにもした。若い頃は随分乱暴な相撲も多かった。
 魁皇と言えば昨年は二桁勝利は一度もない。千秋楽に勝ち越しを掛けた場所が何場所あったろう。横綱ならばとっくに引退させられている成績である。実は、魁皇は5度も優勝していながら横綱になれなかった大関である。腰の故障が足を引っ張ったり、と理由はある。しかし、横綱ではなかったから引退をさせられなかったので、今日の大記録が出来た。700勝を越えているのは何れも大横綱と言われる、貴乃花武蔵丸大鵬北の湖、そして千代の富士である。
 魁皇が真面目に精進して19年間土俵を務めた結果の大記録である事は認めるし、賞賛に値すると思う。しかし、何か少し違うような気がしてならない。折から、千代大海が醜態を晒している。この二日間の負けっぷりを見れば、気の毒ながらもう数日の命であろうと思う。大関横綱が張れないだけで、地位としては相撲の最高位なのである。もう少し大関に誇りと、散り際の美学があって良いと思う。相撲生活の晩年に一桁勝利しか出来ない大関が、今後幕内最多勝記録保持者として名前を語り継がれるのは醜い。それが、桜を愛でる日本人の美学ではなかろうか。