baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 腰砕けの大相撲

 千秋楽を待たずして朝青竜の優勝が決まった。朝青竜はこの頃は優勝すると目に涙するようになったが、何時も下馬評が白鳳有利なので余程嬉しいのであろう。こういう可愛げのある所もある反面、何時まで経っても治らない見苦しい駄目押し、果ては今場所はご丁寧にも夜街に繰り出した挙句に暴れたそうで、親方が理事長に詫びを入れ入れる一幕もあったようだ。
 今場所は面白いとついこの間書いたばかりなのに、あっという間に琴欧州が崩れてしまい、日馬富士も負けが混んで結局は二横綱の優勝争いになってしまって鼻白んだ。それにしても琴欧州のふがいなさは目を覆いたくなる。初日に苦手の豊ノ島を寄り切った気迫の相撲は何処へ行ってしまったのか。嘉風豪風の小兵力士にコロコロとやられ、14日目で未だ8勝は酷い。
 白鳳も一敗してしまったら集中力が切れたのか、迫力のない相撲が続いている。魁皇に負けた相撲などは勝とうと言う気迫が全く伝わって来なかった。日頃の盤石の強さが翳を潜めてしまった。把瑠都も強い時と弱い時の波がまだまだ大きい。上手い相撲を取るかと思うと、相変わらず肩ごしに褌を引く大味な相撲がある。稀勢里も今場所は気迫の籠った良い相撲を取るかと思ったが、初日から5連勝の後の5連敗は酷過ぎる。稀勢里が良い相撲を取るだけで、その日は土俵が面白くなるぐらい存在感があるのだからもっともっと頑張って欲しいものだ。
 こうして見ると15日間集中力を維持するのは余程大変なのであろう。その意味で朝青竜がまた優勝したというのは凄い事だと思う。これで横綱としての品格が伴えば、素晴らしい大横綱と言えるのだが、やはり大関が相応しい力士というのが残念である。白鳳はあれだけの大横綱の風格を備え、相撲も盤石なのに今場所は期待外れであった。場所中にどこかを痛めたとも思える。白鳳は朝青竜と違って悪い所があっても決して表に出さない、極めて日本人的な力士なので、どこかを痛めた可能性は大いにある。そうであるなら、来場所までにしっかり治して来場所での復帰を是非期待したい。
 琴欧州にはもっと気迫を込めた取り組みを望む。この人は他の力士に優しいだけに気持ちが優し過ぎるようだ。あれだけの体力を持ちながら、何だか恐々と相撲を取っているように見える。下半身もまだまだ安定が悪い。日頃もっと四股を踏み、摺り足をやって強い下半身を作って欲しい。そして、初日の豊ノ島戦のような気迫の籠った相撲が何時でも取れるようになれば、また優勝も夢ではなくなる。琴欧州には少なくとも最後まで優勝争いを演じて欲しいものである。
 今場所は後半に入って大関陣が優勝争いから脱落するのが早過ぎて興味半減の場所になってしまったが、相撲内容は最後まで熱戦が多く悪くなかったと思う。垣添のような山椒力士が殊の外華を添えてくれた。大阪場所も熱戦を期待したい。そして最後まで優勝争いが縺れる展開を期待したい。