baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 普天間基地移設先の行方

 普天間基地移設の代替地にキャンプシュワブの陸上案が急激に浮上してきているようだ。連立政権の一翼を担う社民党は相変わらず県外移設を主張しているようだが、場所にもよるが沖縄から遠く外れるようでは問題外で検討に値しない。グァムとかテニアンとかの名前も聞くが、場所があれば何処にでも動かせば良いという、海兵隊の何たるかを全く弁えない素人考えには辟易する。海兵隊は取り敢えず先制攻撃を加える部隊であり、紛争が起きそうな地域から遠く離れていては全く役に立たない。素早く動いてピンポイントで敵を叩くのが任務だから、紛争の起こりそうな地域の近くに駐屯していないと役に立たないし抑止力にもならない。
 しかしキャンプシュワブに移設するのなら、結局は元の黙阿弥ではないか。何の為に今まで日米関係をギクシャクさせ鳩山総理がオバマ大統領を騙してまで大騒ぎをしたのだろう。海上案と陸上案にどれほどの優劣があるのかは知らないが、場所的には元々の日米政府間合意に戻った訳で、この5ヶ月間の馬鹿騒ぎは一体何だったのだろう。岡田外相と北沢防衛相は最初から代替案は難しいとして昨年末にキャンプシュワブ海上案で纏めようと努力したが、鳩山総理の優柔不断で纏め切れなかった。しかし、こうして議論が収斂して来れば結局民主党政権は単に自公政権時代の事には何でも反対するだけで、それ以外の事は何も考えていなかった事が証明されたようである。そしてそのスタンドプレーをしている間に名護市長選挙が行われ辺野古への受け入れ反対派が新市長に当選してしまった。無駄な騒ぎをしている間に状況が尚厳しくなっただけである。COP20で鳩山がオバマとの面談を申し入れても受け入れて貰えないと言うおよそ考え難い恥辱を味わわさたり、岡田外相がクリントン国務長官に面談を申し入れても中々スケジュール調整をして貰えなかったりした事は未だ記憶に新しい。これだけ日米関係の悪化を招いてまで移設先の再検討をして、民主党は何か得られたのだろうか。まさかこの件で騒ぎ立てれば、小沢、鳩山の政治資金問題から国民の目を逸らせるとでも思った訳ではあるまいが。
 陸上案は1995年に日米間で検討された末に流れた案だそうだから、このまま纏まるかどうかは分からない。民主党は面子の為にも元々のキャンプシュワブ海上案にまでは戻りたくないだろうが、たかが民主党一党の面子のためだけに無駄なエネルギーと時間を費やすのはもう止めて、これで纏まらなければ元々の海上案で早く纏めるべきである。オバマ政権は日本側のゴタゴタで一時は棚上げ論も浮上した一部海兵隊のグァム移転費用は結局予算計上してくれている。民主党政権はその言わんとする処を無視してはなるまい。