baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 危険な自転車

 日本では自転車ブームで近頃は何処へ行っても自転車だらけである。勿論自転車は環境にクリーンだし結構な乗り物で僕も愛用しているが、乗り手のマナーが滅茶苦茶でヒヤッとすることも屡である。車道を我が物顔に一車線使って走る自転車は勿論だが、歩道を歩いている時の自転車の横暴さには少なからず腹が立つ。若い人に限らず中年女性にも目立つ。
 僕等が小学生の頃は時々学校に警察が来て、自転車乗りの講習会があった。「人は右、車は左」と叩きこまれ、歩行者優先や角の曲がり方などの講習もみっちり受けた。それが近頃はどうであろう。逆走は当たり前で、車で左折しようとすると道の右側から自転車が飛び出してくる。真ん中から飛び出してくる自転車もある。自転車同士ですれ違おうとすると右側に寄る者がいる。思わず「車は左」と怒鳴ってしまう。友達同士お喋りしながら並走する者がいる。携帯で喋りながら心ここに在らずでフラフラ走ったり、傘をさしながら前もロクに見えないまま疾走してくるのもある。
 目に余るのは歩道での暴走である。お年寄りや足の不自由な人が歩いている歩道を、音も立てずに後ろから猛スピードでジグザグで追い抜いて行く。多少なりとも危険があればブレーキを掛けるのが大原則なのに、なるべくブレーキを掛けないようにする自転車が多い。歩行者が避けるのが前提で平気で歩いている人にぶつかってくる自転車もある。何れも、一歩間違えば歩行者は飛ばされてしまい、下手をすれば大怪我を被ってしまう。
 実際僕の親戚はそれまで普通に元気にしていたのに、自転車に後ろから当て逃げされて歩道で転び、大腿骨を骨折して数ヶ月で痴呆になってしまった。それからは歩けぬまま余り経たずに他界してしまった。自転車の人は過失致死罪に近い当て逃げなのだが、目撃者もいたのに結局若い男と言う以外は分からずじまいであった。遺族の気持ちは如何ばかりであろうか。
 これらはみんな道路交通法違反なのだが、警官も見て見ぬふりでまるで取り締まろうとしない。取り締まっても罰金もないから文句を言うだけくたびれ損、注意される側もまるで真剣に聞かないので効果がない。東京都では4月から自転車のマナー違反を重点的に取り締まるというが、罰金がなければ余り効果もないと思う。いっそ中学生か高校生以上の年齢は免許制にして、交通違反には罰金を取ったらどうだろう。そうでもしないと、マナーの悪さは治りそうもない。