baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 確定申告

 毎年この季節は気が重い。税金の申告の季節だからである。
 先ず自分で趣味のようにやっている名ばかりの会社の決算が12月なので、こちらの税務申告の期限が2月末である。法人の場合は先ず決算して、それを株主総会で承認しなければならない。それから決算書に基づく税務申告である。法人の税務申告は別表やら付表やらがやたらに多くて、しかも素人には分からない事が多い。かといって税理士を雇える程威張れた会社ではないので、自分で捩じり鉢巻きで懸命に挑戦するのだが、最後はどうしても分からない部分がかなり残ってしまう。仕方がないからこれは税務署に出向いてお手伝い頂く。未だに薄紙二枚にカーボン紙を挟んで記入する。
 現役時代の国税と言えば、頭から人を脱税犯扱いにするヤクザみたいな人ばかりで、特監という人にも随分いじめられた。幾ら真実を説明しても信用して貰えず、結局最後は否認されて随分悔しい思いもさせられた。そんな過去もあり、最初は税務署の人にはかなり抵抗があった。
 しかし、申告書が書けない時の税務署の人はまるで嘘のように親切である。これが同じ人種かと思うほどだ。最初にそう思ったのは相続税の申告の相談に行った時である。未だ現役だった。色々説明を聞いたら自分でも出来そうだと思い、書けるだけ自分で書き、揃えるべき書類は一通り全て揃えてもう一度相談に行った。そうしたら、抜けているところは埋めてくれ、且つ申告したら税がもっと安くなる項目を色々アドヴァイスしてくれた。こんなに親切な人が監査に入ると鬼かヤクザになるのだから、国税の担当官は皆二重人格かと思ったりもした。お陰で専門家に頼めば一声何百万円もする費用が助かった。
 今年の法人申告も親切に教えて貰った。基礎が分かっていない上に年に一度の事なので、どうしても覚えられないのである。だから今年も税務署の人に手伝って貰い、無事に申告は終わった。これが終わるとほっとしてしまい、毎年個人の確定申告に中々手がつかないのである。
 しかし、期限があと二週間と迫り、しかも今年は色々とこれからの予定が詰まっているので、意を決して昨日から個人の申告の準備を始めた。実は個人の申告書を書くのは国税庁のHPを使えば酷く簡単に出来るようになっている。更にe-taxを使えばもっと簡単なのは分かっているのだが、PCが下手な僕は未だ決算書をe-taxで作るやり方が分からない。実はカードリーダーやカードは揃っているので、今年こそはと思わないではないのだが一度講習にでも行かないと無理そうである。何れにしても言うほど大変ではないのだが、法人の申告が大変なのでやはり気が抜けてついつい怠けてしまう。
 そんな簡単な申告書類作成ではあるが、面倒なのは証憑書類の整理と決算書の作成である。例えば現役時代は書いた事もない自分の源泉徴収を自分で書く。必要書類の整理と決算書さえ出来てしまえば後はあっという間に終わってしまう。ただ簡単過ぎて恐いのは、昔と違って自分で計算をしないから誤って入力しても気付き難い事である。今年も源泉徴収の数字の入力を間違えて、いきなり高額な税金が弾き出されて慌てた。あのまま申告していたら、僕の税金など高が知れているから恐らくはチェックもされずにそのまま徴税されていただろう。
 税金はしっかり払えと言うのが父親の口癖で、今では遺言みたいなものである。親に言われるまでもなく、僕も日本の為に払うべきものはしっかり払いたいと考えている。何処かの偉い人のように相続税を脱税しようとか、裏金を自宅に現金で保管してチャンスを見て洗濯して税金を免れよう、などと言うケチな考えは許せないのだ。今日は、源泉徴収額の誤りはしっかり事前に訂正して夕方申告してきた。e-taxが普及して来たのか、昔ほどの雑踏ではなかった。今は、毎年の事ながら何とも肩の荷が下りて、晴れ晴れと嬉しい気分である。