baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 インドネシア近況

 一昨日からインドネシアに来ている。前回新宿から成田に行くリムジンから、東京ツリー、所謂新東京タワーが良く見えたので今回はバスから写真を撮ってブログで公開しようと計画、普段は持ち歩かないカメラをわざわざ持参したのだが、珍しくリムジンが混んでいて左側の席に座れず今回は写真を撮れなかった。もっとも天気も悪くて肝心のタワーも霞んでいたので、負け惜しみだが、どのみち綺麗な写真は撮れなかったと思う。次回にお預けである。
 当地の仕事が捗々しくないので、ここのところ少々頻繁に訪れている。やっと今回は多少の成果があったが、まだ中途半端でもう数日こちらに滞在することになる。雨季の終わりのジャカルタは決して暑くはないのだが、この週末の東京は天気も悪く気温も2月に逆戻りしていたので、ジャカルタ空港の外に出たときはさすがにムッとした熱気に圧倒された。ただ、この3日間は「うどんのような」雨は降っていない。 
 今当地で一番ホットな話題は、オバマ大統領が今月20日からジャカルタに入って、インドネシアに3泊もすると言うことである。実際、米国大統領がインドネシアに3泊もするというのは前代未聞である。オバマジャカルタに2泊、バリに1泊の由。滞在中に、嘗てオバマが通った小学校を訪問する、或いは昔の級友を集めてクラス会をする、等々母親が一時インドネシア人と結婚して家族でジャカルタのメンテンという高級住宅街に住んだ事がある大統領ならではの、警備に頭を痛める行事があるそうだ。オバマ大統領には独立記念塔広場でインドネシアの民衆に語りかける希望もあったようだが、流石に四方が開放されている広場では警備が不可能というインドネシア側の申し入れでスピーチはジャカルタコンベンションセンターで為される事になったそうだ。インドネシア側の警備は厳しさを増しており、今日も火器を所持するテロ容疑者が三人ジャカルタ近郊で射殺された。テレビニュースでは射殺された容疑者の大写しがずっと流れている。イスラム国のインドネシアはエロには滅法厳しい反面、グロには極めて寛容である。
 ジャカルタの地下鉄プロジェクトは順調に進んでいるようだ。このまま順調に行けば来年までには設計を終了し、来年施工業者の入札、2016年には完工予定とのこと。ただ、先日のギナンジャール氏のセミナーでは、地下鉄の料金をどうするかが頭の痛い問題との説明であった。JICAの試算では初乗り3万ルピア、日本円で300円、日本の地下鉄より高くしないと回らない。一方でインドネシアの一般的な収入から言えば初乗り300円では誰も乗らない。タクシーの初乗りが60円程度であるから、300円も払うならタクシーに乗るほうが余程ましである。従い、その差額は結局政府なりジャカルタ市が負担しないと地下鉄プロジェクトは出来ない。唯、地下鉄の如き大量輸送手段がなければジャカルタの交通渋滞はもう限界を超えているのが現実である。2016年までは未だ大分間があるのでその頃のジャカルタがどうなっているか全く分からないが、僕の予想では初乗り8,000ルピア、今の換算で80円である。当たるも八卦、当たらぬも八卦
 ジャカルタは連日のデモである。センチュリー銀行スキャンダルに絡む反大統領デモである。ただ、以前にも書いたが当地のデモは金で雇われたデモ隊が大部分なので、デモがあるからと言って民衆が反大統領であるという事ではない。所詮は政治屋の駆け引きである。
 香港のリスク分析会社の分析によれば、インドネシアはアジアー太平洋地域の16ヶ国中では汚職が一番酷い国の由。下から2番目がカンボジア、3番目がベトナムとの事で、アセアンのリーダーを自認するインドネシアにとっては大変恥じ入るべきランキングだったようである。カンボジアにも負けている、と言うのが今日の新聞の論調である。その気持ちを国民が一様に共有すれば100年位経てば大分改善されるであろう。トップにランクされたのはシンガポールなので、日本もそうそう威張れた国ではない。事実小沢一郎胆沢ダムとの癒着を見れば、さもありなん、押して知るべし、である。