baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 郵政官営化と無能な民主政権

 亀井静香のゴリ押しで、郵政官営化の筋書きが最終的に亀井ー原口の原案を鳩山由紀夫が承認する形で決着しそうである。預金限度額を一般金融機関のペイオフラインの2倍にまで積み増し、生命保険も従来の限度額のほぼ2倍に増やした。しかも亀井静香国債でしか運用していないと言う批判に対してぬけぬけと、日本郵政にはノーハウが無いから一般金融機関の融資に協調する形で国債購入だけではなく一般融資も増やす、と発言している。発言内容も大問題だが、それにも増してもう日本郵政亀井静香の個人会社の如き発言である。
 原口も無能なら、原案をそのまま承認した鳩山由紀夫はもう世間知らずの痴愚としか言いようがない。亀井静香が言っている事は咀嚼すれば、一般金融機関、特に弱体の信金、信組から資金を吸い上げて、本来なら一般金融機関が単独で融資出来る案件に横槍を入れ、元々一般金融機関の利益になる筈であった部分を日本郵政が相乗りして横取りするという政府のゴリ押しである。
 亀井静香が二言目には偽善者ぶって口にする中小企業の資金繰りは、鳩山由紀夫のような税金逃れ以外には金に苦労しないボンボンには想像もつかないだろうし、亀井のような金集めに長けた政治家にも実感は無いだろうが、非常に難しいのだ。大手都市銀はなかなか中小企業や個人商店は相手にしない。僕も経験があるが、大手都市銀は僕等の様な弱小企業には、限度を取る稟議の手間暇を考えれば申し訳ないけれども貴方の会社は相手にしたくない、などという事を30そこそこの若手行員に平然と言われるのが現実である。融資を必要とする計画の是非以前なのである。
 そんな中小企業や地場の商店の事を親身になって考えてくれるのはやはり地域に密着した信金、信組なのである。ただ信金、信組は大手都市銀に比べれば資産が桁違いに少ないから、中々こちらの希望通りの融資額は受けて貰えない。今回の事態紛糾で亀井静香が言っている事は、その信金、信組の資産を官が更に圧迫し、その融資のノーハウにただ乗りして利益も横取りしようという発想なのである。郵便局の人に融資のノーハウがあるとは正直思えない。ましてや過疎地の特定郵便局長が地場商店の融資を扱えるとは思えない。結局は一般金融機関の融資への相乗りか、恐らくは大部分は国債で運用するしか能はなかろうが、その結果信金、信組は更に資産が圧縮されて地域密着型の融資が細る事になる。
 亀井静香は仙石由人の事を周回遅れで頭が付いて来ていないとボロクソに言うが、日本の将来を一層破壊しようとしている張本人は自分であるという自覚が本当にないのであろうか。仙石が言うように「何で運用するのかの具体案もないまま資金を集めてどうするのか、日本の経済に何も良い事がないではないか」というのは周回遅れではなく正に正論である。
 ユニバーサルサービスという詭弁を弄して郵政官営化という時代に逆行する政策をゴリ押しするのは絶対に間違っている。既にEUからも懸念が表明されたと言う。そんな、我々には背景が理解出来ない無理をゴリ押しする亀井静香と、それを止めなければならない事が理解出来ない鳩山由紀夫には、一刻も早く退陣して貰わねば日本は立ち直り不可能になる。