baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 菅新総理と民主党

 大方の予想通り菅直人がポスト鳩山の総理大臣に就任した。対抗馬の樽床伸二に2倍以上の大差を付けての代表選出であった。官房長官には仙石由人国家戦略相、財務大臣野田佳彦財務副大臣が内定しているようで、要職の幹事長に枝野幸男行政刷新相の名前が挙がっているそうだ。何れも小沢一郎に距離を置く議員達なので、口ばかりではなく菅直人は今回は真剣に小沢離れを演出しようとしているようである。
 一方で小沢一郎は今夕開かれた自派の会合に出席し、樽床伸二が獲得した129票は小沢派の団結の表れであり、本気になればこの倍は票が取れる、9月の代表選挙には独自の候補を立てようと気炎を上げたそうである。鳩山由紀夫は次回の総選挙には立候補しないと引退を仄めかしているが、小沢一郎は未だ未だ意気軒昂のようだ。そして今回の自身への処遇が余程気に入らないのであろう。
 この人は民主党の不人気の一つの理由に自身の政治とカネの問題がある事は重々知っている筈であるから、国民の人気などは無視して良い、要は政治は金で人心を買うもの、という哲学を心から信奉しているのであろう。田中角栄塾の優等生であり、田中真紀子民主党に入党させた小沢一郎ならではである。ところで鳩山由紀夫議員辞職を勧告した小林千代美はどうするのであろうか。代表選挙の陰に隠れて動きが見えないが、やはり選対幹部の一審判決が出る14日までは様子見を決め込むのであろうか。
 今回の菅直人の総理就任には特段小沢一郎が裏で支援したという事ではないので、新政権の小沢色を希釈しようとする動きは簡単には止められまい。このまま推移すると民主党が二分してしまうのか、小沢一郎が実権を取り戻すのか、或いは小沢一郎がフェードアウトして行くのか、未だ色々と紆余曲折がありそうで予断は許さない。原口一博、興石東、山岡賢次あたりの去就に大いに注目したい。
 とは言え閣僚人事には、国会閉会を目前に控え大幅な入れ替えはないと言われている。その中で、蓮舫の入閣が噂されているがそれだけは止めて欲しい物である。経験も知識も無い事が事業仕分けで証明された、ちょっと見が良くて実況テレビでのパーフォーマンスだけで有名人になった、元グラビアアイドル如きに日本の政治がいよいよ握られるのかと思うとほとほと情けない。野球選手やプロレスラー、柔道家、落語家など同類は多々出て来るから蓮舫だけが悪い訳ではないのだが、「どうして世界一にならなきゃいけないのか」という愚かな質問がどうしても頭から離れない。有権者にも政治家を選ぶ時は政見、政策、人品骨柄、経験、など政治家としての根本的な資質で選んで欲しいものである。見掛けだとか、増してや名前を知っている程度で投票するのは正に衆愚政治である。
 何れにしても新政権は多少なりとも外国に信頼されるような政権になって欲しい。僕は民主党政権に対する期待はもはや持っていないが、外交は日本の内政がどうであれ待ってくれる訳ではない。この8ヶ月がそうであったように、世界の動きに置いてきぼりになる事だけは避けて欲しいものである。FTA交渉も早く進めて欲しい。それと、財政再建については財務相として民主党の主流派に異論を唱えていた菅直人が折角総理大臣になったのだから、今度はもっと大声で財政再建を唱え、国民に負担となろうとも早期の消費税率アップも否定しない財政再建の道筋を示した参院選マニフェストにして欲しい。