baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 民主党の参院選マニフェスト

 民主党参院選マニフェストが発表された。衆院選前のマニフェストが大幅に修正され、荒唐無稽な理想論が現実的になったのは結構な事である。足が地に着かない理想論で国家を論じられては国民は堪まったものではないから、多少遅きに失したとは言え今般の首相と幹事長の交代は何にもまして大慶な事であった。
 しかし。こうして新しいマニフェストを見れば見る程、民主党衆院選は詐欺行為に等しかった事が分かる。出来もしない事を上げ連ねて、しかも例えば財源のように無駄を省けば出て来ると国民を騙し続ければ、一般の国民にはそれ以上の判断材料がない。例え当初は半信半疑でも、反駁の材料がないから結局はそんなものかと信じてしまう。しかし蓋を開けてみればそれが真っ赤な嘘であったのに、嘘がバレる前に衆院選では地滑り勝利を収めてしまった。これが詐欺行為でなくて何であろう。僕は当初から鳩山由紀夫を信じていなかったから詐欺には引っ掛からなかったが、随分多くの国民がしまったと思った事であろう。世間では未だにオレオレ詐欺撲滅と喧しいが、民主党衆院選ほど大規模で、且つまんまと成功した詐欺例は他に類が無いのではなかろうか。
 事程左様に明らかな詐欺だったのだが、今回の新しいマニフェストでは何となく昨年のマニフェストを軌道修正をしていると言う印象を与えているだけのようである。そもそも菅直人は、前政権でも副総理として連帯責任を負っていた事は棚に上げて、厚かましくも新生民主党とイメージチェンジのみをアピールしている訳である。前政権が酷過ぎたから菅直人は大層得をしているが、良く考えて見れば随分国民を馬鹿にした話ではある。
 と言いたい事は色々あるが、前政権では4年間は絶対に上げないと言っていた消費税率改定に今回菅政権が踏み込んだのは、非常に良い事である。その事は大変結構なのであるが、「自民案を参考」に「超党派協議」で纏めたい、とすっかり与党としての主体性をかなぐり捨てている。国民の反発を招く増税には自民党に連帯責任を取らせようとしているようだ。そんな姑息な事はせずに、与党として正々堂々と責任を取れば良いと思うのだが。都議会の民主党の如く自民党が「反対の為の反対」をするならともかく、財政再建は焦眉の急であるから民主党の提案が正しい道であれば自民党の理解も得られる筈である。国の将来は顧みずに国民の人気取りに忙しい社民党共産党の反対は無視すれば良い。
 勿論税金は安いに越した事はないから、これで消費税が更に5%でも上がる事になれば毎日の生活にもろに響くのだが、日本の財政が既に破綻しているのだから国民一人一人がその重荷を分担しなければならない訳である。孫子の代に残すツケを僕等が元気な中に少しでも減らさなければ安穏に往生出来ないと言う事だ。それでも未だ臥床薪炭という処までは行くまい。
 ここで最も肝心な事は目的を明確にした増税にしなければならないという事だ。さもないと、折角上げた消費税を財源に、高速道路の無料化や子供手当の満額支給、農家の戸別保証、等々民主党十八番のお手盛りばら撒きに使われたのでは元も子もなくなる。年金の立て直しなり健保の立て直しなり、とにかく万民の納得が得られる目的を定めなければならない。 
 それと日本の経済を浮揚させるためには、やはり企業に元気になって貰い国内で投資をして貰えるような施策が急がれる。それにより初めて国内雇用が増加し、更に利益が上がれば給与にも反映され、国内市場も活発化してくる。そうなれば自然にデフレからも脱却出来る。その為の法人税下げも焦眉の急である。国内産業の競争力を強化し、一刻も早く産業の空洞化にブレーキを掛けねばならない。
 消費税率の見直しと法人税減税は今年度中にも法案を通すべき喫緊の課題である。どんなに急いでも早すぎると言う事はない。