baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 上海(2)〜公害

 上海は2年振りなので、20年前の上海からの変貌の洗礼は既に受けている。人々の身なりもすっかりお洒落になり、シンガポール辺りを歩いているのと大差ない。そういう意味では、東南アジアの大都市にいると思えば特段の違和感も湧かない。
 しかし、その公害は想像を絶する酷いものである。朝のホテルからの写真を見て頂こう。
            
   


 これは明らかに朝靄ではない。スモッグである。視界は300m程しかない。そして、太陽が出ているとどう見えるか。

   

 或る人の実話である。使い捨てコンタクトレンズを使っているのだが、上海に2週間程滞在したら目が痛くなり我慢できなくなった。コンタクトを調べてみたら端の部分が減ってしまっていて、目に当たって痛かった物と判明した。コンタクトレンズは溶けていた。その話を横で聞いていた人が、やはりコンタクトレンズの、一番長保ちするコーティングをした物を使っていたのだが、2年も保たずにダメになってしまった。眼鏡屋に持って行って見せた処、こんなに短時間で酷くダメになってしまったコンタクトは見た事が無い、と呆れられた由。大気が余程高濃度の酸を含有しているものと思われる。
 僕が滞在している間は、幸い折からの梅雨で毎日雨が降ったので、それ程体感する程の公害ではなかったが、普段は目が痛くなって涙が出たりするそうである。地元の中国人が冗談とも本心とも分からぬ言い方で「雨には当たらない方が良い。特に最初の2時間は禁物です。空気中の汚ない物質が沢山含まれていますから」と言って笑っていた。