参院選

　今日は昼前に近所の投票所へ行った。今日は同日選挙で区長選と区議補欠選挙があったのだが、そちらは余り興味が無く事前の下調べもいい加減なものになってしまった。投票所に着いて見ると、過去に経験のない長蛇の列である。余程中で手際が悪いのかと思って並んでいたが、中に入って見れば普段と変わらずに手際よく流れている。これは有権者の意識が高いのだと思ったが、投票率はそれ程高くなかったようである。午後は天気が崩れるとの予報だったので午前中に殺到したのか、或いは我が家の周辺は投票率が高かったのか。
　結果は予想通り捻じれ国会の再現になったようである。そんな中で蓮舫が過去最高の得票数で東京でトップ当選を果たした。問題の本質を見抜けずにパーフォーマンスに徹した事業仕訳で、彼女の馬脚は現れたと思っていたからまさかの結果である。人気があるのは仕方がないので当選するとは思っていたが、ここまで得票するとは驚きである。成る程、プロレスラーやスポーツ選手、俳優やタレントが立候補する訳である。政治家に人がいないと言うのが僕の日頃の感想であるが、有権者にも人を見る目の無い人が随分いるようで、結局はこれが今の日本の実力なのであろうか。それにしても蓮舫にあまり行政刷新で張り切られてしまうとまた本質を外した、全く日本の将来の為にならない大鉈を振られそうで、何とも空恐ろしい。人には器という物があるのだが。
　今回の民主党の議席減は菅直人が突然消費税を言いだしたからだと本人も認め、周囲もみなそんな意見である。それは或る程度は事実であろう。景気が不振な時に増税するのに反対する意見は常にある。しかし、最早待ったなしの財政再建と社会保障費の財源捻出には、消費税の見直しは避けて通れない。選挙が終わってから突然言い出すよりは余程潔い。この点については、選挙結果にどう影響したかはともかく、僕は菅直人を評価している。勿論、その財源を何に充てるかを明確にするのが条件と言う事は、既に本ブログで書いた通りである。
　一方で、かなり議席を回復した自民党も消費税増税を掲げているのだから、これだけが民主不振の原因とは言えないのではなかろうか。やはり有耶無耶に葬られてしまった小沢一郎と鳩山由紀夫の政治とカネの問題、普天間移設問題を筆頭に迷走を続けた鳩山民主政権に対する想像に絶する失望と、民主党の実力に対する不信、などが根底にあるのは否めない。この間民主党自身も野党と与党の立場の違いを厭という程実感したであろう。特に官僚を遠ざけてはみたものの、右も左も分からない閣僚の素人振りは際立っていたから尚更であろう。
　今回の選挙結果を真摯に受け止めて民主党がまた一皮剝ける事を期待したい。とは言え当面政局運営がどうなるのか全く予想が付かない。自公が与党の時の捻じれ国会では、与党が衆院の三分の二を押さえていたから参院で否決されても衆院で再可決する道が残っていたのだが、民主与党は国民新党との連立だけでは衆院の再可決も出来ない。重要な法案が何も決まらない空白国会が続き、世界の動きが益々早まっている現代で日本の政治がまたまた世界から取り残されてしまうのではないかと、酷く不安である。斯くなる上は現在の二院制を捻じれないように改革するか、それが未だ当分無理なら早く衆院解散をして捻じれを解消するかしかない。だが衆院解散で捻じれが解消される保証も無いのである。やはり現在の制度は二大政党、又は二大政党プラス第三局による政局運営には馴染まなくなっているのは間違いない。