baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 夏の風物詩

 ラ・ニーニャ現象の影響と言うが、まあそれはそうなのだろうが、どう考えても地球温暖化が進んでいるとしか思えない連日の猛暑と、各地での災害のニュースである。国内での連日の集中豪雨、雷雨の被害のニュースは、もう珍しくもなくなってしまった。中国の土石流災害は人災の部分もあるというニュースもあるが、実態はともあれ凄まじい災害である事に変わりはない。インドでも豪雨災害が出たと聞くし、昨今の集中豪雨は以前とは様変わりの一点集中の大豪雨である。東欧でも豪雨禍のニュースがある。そして日本や欧米では猛暑が続き、エアコンが普及していないヨーロッパでもエアコンが売れているそうである。一方、南米では厳冬の被害が出ていると聞く。
 どう考えても天候の振幅が大きくなっている。今年の冬はラ・ニーニャの影響で日本でも寒さが厳しくなるとの予報がある。暑さ寒さは程良くメリハリがあるのは良いが、こう極端だと慣れるのが大変である。特に歳を重ねると順応性が鈍くなるので、今年の7月のように突然熱暑に襲われると身体の対応が付いて行けず苦労する。年配の方が家の中で熱中症で倒れたニュースが後を絶たなかったが、残念ながら歳を取ると暑さ寒さに鈍くなると同時に順応にも時間が掛り、余り意識をする間もなく熱中症に掛ってしまうのであろう。若い頃には思いもよらなかったが、最近はその辺りの具合の想像が付くようになって来た。
 この天候の大きなブレは、間違いなく温暖化ガスの影響による地球の環境変化によるものであろう。しかし同時に、地球は小さい寒暖は100年毎位に、大きな寒暖は数万年毎位に繰り返しているようである。人間が傲慢の余り地球の環境を破壊する事は、自分で自分の首を絞めている訳で、各国、特に米国や中国のような温暖化ガス排出大国は、自国のエゴを捨ててもっと徹底的に温暖化ガスの排出規制をすすめるべきではあるが、同時に非力な人類は地球の大きな寒暖の波に順応しながら生きて行かねばならぬのであろう。どうも昨今の地球の荒々しさは、温暖化ガスの影響だけではなく、地球が温暖期に入っているような気もするのである。
 そんな昨今だが、立秋も過ぎ、風のなかにもどこか秋の風情が漂ってきたような気がする。8月に入り、急に蝉しぐれが喧しくなった。この時期の僕のDNAに刷り込まれた風物詩は「ミョウガ」である。子供の頃は庭にミョウガが沢山自生していて、夕食の頃になると母親にミョウガ獲りを頼まれた。隣家との塀際に芽を出しているのを、ちょっと地面を掘って根元から折るのである。少しでも獲り遅れると花が咲いてしまい、肝心の身の部分がスカスカになってしまうから、程良く大きくなって、且つ未だ花がつかない物を選ばなければならない。ヤブ蚊にさされながら、よくミョウガ獲りをした。そう言えば、あの頃は大葉も庭に自生していたものだ。大葉は虫が付くので、なるべく穴の開かない中に獲ってしまうのだが、あまり早く獲り過ぎても葉は小さいし香りも薄い。これも子供の頃の僕の仕事だった。今はどちらもスーパーでお金を出して買う事になってしまったが、やはりミョウガと大葉がないと夏が落ち着かないのである。