baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 遅きに失した為替介入

 一昨日、やっと為替介入により、天井知らずだった円高に一応歯止めが掛った。しかし、余りに遅すぎる政府の対応であった。史上空前の2兆円超の介入であったと言うが、それでもやっと85円に戻った程度である。これでは未だ未だとても間に合わない。民主党政権無為無策のツケである。もっと早いタイミングで手を打っていれば、これほど露骨ではなく、もっと少ない資金でより効率的に90円程度の水準を保てたのではないかと残念でならない。
 ブログを読み直してみると、僕はしつこく円高に警鐘を鳴らしている。8月12日に、早く円高対策を講じないと大変なことになると言い、同月18日には政府が民主党内の権力闘争に明け暮れて肝心の円高を放置している事に憤り、翌日には輸出企業と仕事で面談した際の現場の悲鳴を報告し、25日にはもう遅きに失しているので直接介入しかない、断固円高を是正すべし、と訴えた。しかし悲しいかな、無名の一ブロガーの声が何処に届くでもなく、一人悲憤慷慨している間に円はとうとう一時的にではあれ83円も抜いてしまい、やっと一昨日の介入である。本来なら僕のような素人が最初に警鐘を鳴らす前に、7月末頃から徐々に対策が講じられていて当然な急激な円高であったのだ。
 そして、やっている事が中途半端で、まだまだ素人臭い。仙石官房長官は新聞記者に尋ねられて、82円が一つの防衛線である、などと発言したようである。また昨日の為替の動きを見ていると、政府は85円までは容認するように見える。85円では日本の企業は未だ対応出来ない事を理解しているのか理解していないのか。折角一昨日に2円以上も戻したのだから、この際一気に90円にまでもって行くような動きを見せれば効率が良いのに、ここで一息入れてしまえば市場は様子を見ながらまた円高に動く様な気がしてならない。しかもどうせ防衛線が幾らなどと言うのなら、90円くらいのはったりをかませるべきなのに、馬鹿正直に82円などと言ってしまう。やっていることが小学生の麻雀と一緒で、リーチを掛けたそばから手の内の説明をしているようで、これでは勝てる勝負も勝てなくなる。見ていてイライラするばかりである。この週末のお手並みに是非期待したいものである。
 そんな大事な折に、しかも既に円高対策の賽は投げられたと言うのに、政府はまた人事で大騒動である。小沢と輿石が実権のないポストを提示されて怒っている様であるが、代表選に負けたのだから当然であろう。むしろ民意は小沢に実権を持って欲しくないと言うのが圧倒的な声であった訳である。男らしくないと言うか、一回勝負のじゃんけんで負けたのに「もう一度」と言っている子供並みのダダの捏ね様である。そして、重要ポストが順次菅派で固まって行くので小沢一派は菅直人の言う挙党態勢が空約束だったと早くも不満のようであるが、挙党態勢と言うなら負けた側が潔く勝ち組に従うと言う事ではないのか。あれだけ政策がはっきり異なるのであるから、自分達が少数派であったのなら潔く負けを認めて多数派に従うのを「民主」的と言うのではないのか。先日のラジオ放送に出て来た衆院議員もそうであったが、どうも小沢一派は勝っても負けても奢り昂っているような気がしてならない。以前書いたように、やはり民主党は遠からず割れるのかも知れない。