baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 やっと秋、そして白鳳は連勝記録更新か

 やっと秋らしくなって来た。昨日は終日雨で、10月初旬の気候という、肌寒いくらいであったが、今日は久しぶりに爽やかな秋晴れであった。つい先週の、台風が来るまでの猛暑が嘘のようである。
 涼しくなったら急にお腹が空くようになってしまった。普段はそれ程暑さに負けないのだが、今年は流石に軽い暑気当たりをしたようで、食欲が減退していたのである。8月も下旬になると、昼などはソウメンを啜るのが精一杯であった。その反動か、ここのところどうにも腹が減って堪らない。今日などは外出の用もなかったので、相撲を見ながら中入りの後半にはもう一献傾けてつまみをムシャムシャ始めてしまった。天が高いのは気持ちが良いのだが、余り太らないように気を付けよう。
 白鳳がついに53連勝を遂げた。ウルフと言われた千代の富士の連勝記録に並んだのである。千代の富士が、小兵ながら左前ミツを引き付けての速攻相撲全盛の頃に打ちたてた大記録である。この記録に白鳳が、今日22年ぶりに並んだ。今の強さであれば、九分九厘明日新記録を樹立するであろう。千代の富士の時代は横綱が何人もいたから、今の白鳳とはまた違った環境での大記録であり、こういう大記録を直接比較する事は余り意味がないが、記録とはそういうものなのであろう。
 今の角界には白鳳が負けそうな力士が見当たらない。可能性があると思われるのは精々琴欧洲把瑠都日馬富士の三大関ぐらいかと思うが、それでもまともな相撲では中々勝てそうにない。一番危ないのは白鳳自身の集中力が揺らいだ時ぐらいではなかろうか。今の勢いだと、後は白鳳が憧れ続ける双葉山の69連勝に届くかどうか、そして誰がこの連勝にストップを掛けるか、が最大の興味となってくる。安芸の海の名前が未だに語り継がれる訳が、段々肌で分かって来た。千代の富士は22年前の11月場所の千秋楽の結びの一番で大の国に敗れている。
 記憶に間違いがなければ双葉山の当時は一年二場所だったので、千代の富士との比較と同じく、同等の比較にはならないが、それにしても今の白鳳はとにかく強い。気力が充実していて全く危なげが無い。相撲は決して早くはないので、千代の富士のような激しさは感じられないが、幾ら掻き回されても下半身が微動だにしない。そして技も流れるように自然に繰り出されている。決まり手がすくい投げと発表されて、ご当人が不満そうだったと言う仏壇返しなどは久しぶりに見せて貰った鮮やかな大技であった。
 そして以前から時々書いているように、白鳳の相撲は美しい。日本人の相撲取り以上に、土俵上の姿が相撲そのものである。朝青竜がいなくなり、最近は日馬富士等のモンゴル勢も品の良い相撲をとるようになったので、急に土俵の品格が上がった。これも偏に白鳳のお陰と言っても過言ではあるまい。双葉山を手本に、一層美しい相撲を完成させて欲しい。願わくば、今以上にポーカーフェースになる事と、勝ち名乗りを受けて懸賞を受け取る時に、手刀を切ったらもう少ししっかりと礼をしてくれればと思う。そうすれば、申し分のない美しい横綱になる。
 そう言えば、琴欧洲時天空など同様の力士が多いのだが、手刀を切った後の礼がどうも皆いい加減になっている。懸賞を取るや否や立ち上がる。そうではなく、懸賞を持った右手を右膝の方へ開き、頭をゆっくり下げて礼をしてから立ちあがるべきであろう。一度理事長辺りから注意して欲しい。神聖な土俵上での礼儀は、しっかりと弁えて貰いたいものである。