baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 刑期と市民感情

 今日は東京と横浜で二件の刑事裁判があった。一つは東京の耳かき店員とその祖母が自宅で刺殺された事件。もう一件は横浜で車の運転中に信号無視で交差点に飛び込み、対向車と衝突した挙句に歩道で信号を待っていた看護師三人を殺害した事件。前者はまだ求刑されていないようだが、後者は求刑禁固5〜7年に対し、横浜地裁は禁固4〜5年を言い渡した。前者は死刑の求刑もあり得る。
 片や二人を刺殺して死刑か無期、片や三人を死亡させて禁固4〜5年。交通事故で死亡させたのが過失か未必の故意か、と言えば僕は本件は未必の故意であると思う。先ず利き足の右足を骨折していて不慣れな左足で運転していた事が既に未必の故意である。その上速度違反、更には信号無視となれば殺人事件と同様の悪質な犯罪ではないか。
 片や確信犯で、殺意をもって自宅を襲ったのだからこれは重罪であるのは当然である。しかしこちらは被害者二名、他方は被害者三名もいた上に未必の故意である。
 僕は何度かこのブログで書いたように、死刑には反対論者である。犯罪者の人権を云々するのではなく、死刑を宣告したり、執行する正常な人間に同情するからなのだ。だから刺殺事件は無期懲役、願わくば恩赦や仮釈放なしの、文字通りの無期懲役、刑務所で死んで欲しい。一方で、交通事故とは言え三人をも死亡させた、未必の故意の殺人犯が禁固、それも僅か4〜5年と言うのはどう考えても納得し難い。被害者の家族が、危険運転致死傷罪での裁判を求めた気持は良く分かる。
 危険運転致死傷罪とは、スピードの出し過ぎ、制御技能の缺欠、信号を殊更に無視、などが要件となるそうだが、本件の犯人はこの全てを満たしている。制御技能の缺欠も、利き足と反対の足で運転していた事から、充分適用し得る筈である。つまり、全ての要件を満たしているではないか。こんな無茶苦茶な犯人には、危険運転致死傷罪の最高刑期である懲役20年を適用すべきである。一市民としての僕の感情である。