baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 羽田空港の国際線復活

 羽田空港の国際線が復活する。新しいターミナルも出来あがって、今日はHNKも民放も挙って羽田の国際線ターミナルビルをニュースにしていた。確かに東京の住民や、東京に来る人には成田は遠すぎて、何となく羽田が嬉しくなる。新しい国際線ターミナルも、未だ見た事はないけれど広くて楽しそうである。この頃は海外の新しいターミナルは何処も便利で広くて明るくて、成田が大分時代遅れになって来たから、その意味でも羽田が楽しみでもある。
 僕が初出張した時や、ダッカに駐在に出た時は勿論羽田から発った。当時の飛行機はDC-8B707で、今思えば随分小さな飛行機だったのだろうが、当時では最大の飛行機であった。未だビジネスクラスも無かったのではないかと思う。勿論若造の僕はエコノミーなので元々知る由もないのだが、ビジネスクラスが出来たのはもう少し後だったような気がする。当時の飛行機は小さくて、とてもクラスを三つに分ける事は出来なかったであろう。
 国際線が羽田の頃は飛行機代が相対的に大層高価だったので、仕事で一旦海を渡るとそのままあちらこちらへ盥回しにされて、何時帰れるか分からない時代であった。盥回しでなくとも、海外に出掛けるのが大変な時代であったから、仕事が一段落するまでは何週間どころか何ヶ月も塩漬けにされる事も珍しくなかった。だから羽田を発つ時には、何時帰れるか分からない、妻や子供の顔も当分見られないと言う、何ともセンチメンタルな気分になったものである。実際、僕の初出張は精々10日か2週間の心算で出掛けたものが、そのまま4ヶ月にもなってしまった。商売取るまで帰るに及ばず、と言うことであった。その初出張は、その後駐在する事になったダッカであった。だから羽田が懐かしくないかと言えば嘘になる。
 しかし、都内に居住する僕にとっては、今の羽田は傍が思うほど便利ではない。中途半端なのである。自宅からの距離は、成田に比べれば勿論格段に近い。成田の半分以下である。しかし、それだけ近い割には結構不便なのである。
 例えばタクシーに乗るかどうか。成田であれば最初からタクシーと言う選択肢はあり得ない。高すぎる。しかし、羽田だと微妙に、全くタクシーと言う選択肢が無い訳でもない。普通の時間帯なら1万円で少しお釣りが来る程度であろう。だから荷物が多かったり時間が半端な時には悩ましい。
 自家用車で自分で運転して行くとする。成田なら、1日500円か1000円で、しかもそこから飛行場までは送り迎え付きで幾らでも止められる。それに対して羽田だと、ちゃんと調べた訳ではないが、恐らく一番安くても1日3000円は取られるであろう。だから5日も出掛けていれば往復タクシーを使うのとさして変わらない、決して経済的な方法ではない。
 電車なら家から1時間半は掛らない。成田よりは遥かに早い。しかし大きな荷物を持って、二度も雑踏のターミナルで乗り換えなければならない。しかも、渋谷ではJRに乗り換えるのに階段を登らなければならない。そして、時間によっては郊外電車も山手線も混雑していて、と言うよりも殆ど何時も混雑していて、大きな荷物を持って乗るのは気が引ける。増してや朝のラッシュ時には、余程心臓が強くないととてもキャリーバッグなどを持って乗れるものではない。
 リムジンバスはと言えば、新宿から成田までは80〜90分、ところが羽田へも新宿から60〜70分掛る。都内から出てしまえばスイスイ走れる東関道と何時も渋滞している首都高のせいで、時間にすれば20分位しか違わないのである。
 しかも羽田の離発着は早朝や深夜が多いと聞く。深夜、早朝の離発着と言うと中東を想い出す。とんでもない時間に出たり着いたりするので、何時もホテルも中途半端なら、睡眠も中途半端であった。羽田もそんな飛行場になるのであろうか。幸い当分はインドネシア便は羽田を使わないのであまり影響はないのだが、便利な様で未だ未だ使い勝手が余り良くない羽田だと思う。