baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 エコドライヴにもの申す

 数日前の新聞に、一台の車がエコドライヴをすると、周囲への影響で1台だけの省エネドライヴに比べて2.5倍ぐらいの省エネ効果があるという政府系機関とどこだかの大学の共同実験結果が報道されていた。従来は一台のエコドライヴが渋滞を惹き起し、むしろCO2排出量が増えると予想されていたのが、予想に反して効果絶大というニュアンスの報道であった。傍への影響の測定方法や基準が不明確なので、かなり環境保護に偏った結論であると感じた。
 今日、僕は昼から秋晴れになった世田谷公園で中学時代の友人とランチピクニックした後、所用で都内を少しバイクで走った。最近は時々自己中心的なエコドライヴの車に出会う。今日も須田町の近くで追いついた車が、プリウスのハイブリッドであったのだが、その車の走り方と言えば赤信号が青に変わってもノロノロと一向に加速せず、前が何十メートルにも亘って車間が空いても我関せず、とことんマイペースであった。後ろに付いたらイライラするし、交通の流れを阻害しているから後ろはダラダラ運転の車が連なってしまう。それでもプリウスは何ら周囲に気遣う気配も無く、マイペースである。僕はやっと隙間を見付けて擦り抜けたが、あっと言う間に僕の後ろには車がいなくなってしまった。それ程年配ではない男性が運転していた。ただのケチなのかも知れないが、車はハイブリッドだし恐らくは環境フェチなのだと思う。
 しかし、こういう運転は絶対におかしい。そこまで省エネ、CO2排出削減に気を使うのなら、そもそも、少なくとも都内で車などに乗らないで欲しい。車という乗り物は、最短距離を最短時間で結べて、しかも荷物などを持たなくて済む現代の利器である。しかし、急がないなら、或いは荷物がないなら、駐車も不便ならコストも高いので特に東京などの都会では無用の長物である。現に僕も車を持っているが、年に数回のゴルフと、重くて大きい荷物がある時以外は普段は余り使わない。お陰で8年で未だ17千キロ位しか走っていない。僕のような人間には、実はカーシェアリングがぴったりなのであろうが、日頃から時間を拘束されるのが好きではない。別に世間に迷惑を掛けている訳ではなく、不効率に車を保有しているだけなのだから、それはそれで良しとして欲しい。それどころか、僕は趣味がバイクツーリングなので偉そうは言えないが、一応環境保護にはそれなりに気を遣っていて、無意味な車の使用は控えているのである。
 そもそもバイクは、四輪に比べれば余程エコな乗り物である。だから敢えて言わせて貰えば、前出の傍迷惑で自己満足的なエコドライヴは決してエコではない、やはり後続の長蛇のダラダラ運転を鑑みればそれなりの無駄なCO2排出もあると思うし、何よりも後続の車に大迷惑なのである。更に、危険でもある。後続車がイライラすれば、無理な追い越しや車線変更もある。ノロノロ走っていると、却って追突事故が増えると言う事もある。そして何よりも、車にはCO2排出には代えられない、物流と言う使命がある事を忘れてはならない。
 車の性能が良くなって燃費が上がるのは大変良い。地球にも財布にも優しく、誰も文句は言わない。そして車からのCO2排出が減るのも大いに結構である。しかし、車の性能が今の様に大幅にアップしたのに、その性能を駆使せずにダラダラ運転をするのは大間違いである。不必要な急発進、急加速、急停止は環境に悪いし危険でもあるが、流れに乗った発進、加速、停止が最も重要であろう。流れに乗れないのならともかく、乗らないドライバーは車の運転を返上すべきである。更に、自己中心的な人には交通事故が多いと聞く。自分だけが酔い痴れるような運転者には、免許証は返上して欲しい。エコと言う一面だけに拘って車の利便性を犠牲にする運転者は、初めから車を使わなければ最もエコなのだと言う事を思い出すべきである。そしてメディアも研究機関も、車と言う道具の利便性を無視した偏った報道、発表は控えるべきである。昨今の車に対するエコの潮流を一種のファシズムに思うのは恐らく僕だけではあるまい。