baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 遅々として進まない補正予算審議

 国会での補正予算の審議が全く進まない。今日の衆院予算委員会でも尖閣沖合衝突事件ビデオ流出事件や小沢一郎問題で終始していた。菅政権が一向に明確な回答が出来ないのだから、何時まで経っても堂々巡りである。しかもみっともない事に柳田稔法相などは、答弁したそばから直ぐに訂正するような醜態を演じ、野党に追及されている間もテレ笑いばかり、ちょっと見ると真面目に対応している様には見えない笑い顔である。常識もなければ勉強不足で、閣僚の資格が全く無い。
 民主政権はビデオは一般には公開しない事を原則とし、特定の国会議員にだけ6分少々に編集したものを厳重な管理の下で公開したに過ぎなかった。ところが現物が流れて見れば、どうしてそんな決定をしたのか首をかしげる内容である。さっさと公開しておけばどれ程すっきりした事か。一方で中国が、日本の巡視船がぶつけて来たと世界に向けて公言しているのに、中国の事ばかりを慮って一目瞭然の証拠を公開せず、自らの国益を蔑にしているのだから誰だって不審に思う。その上今迄の自らの決定を擁護しなければ辻褄が合わないので、総理も官房長官外務大臣も、余りにも頭が悪すぎる法務大臣も、強弁と言い訳に終始して過ちの上塗りをするから始末が悪い。
 その後の報道を見ていると、今回のビデオ流出はどうやら海上保安庁の内部の人間が関与している公算が大きい様であるが、現場の人間にしてみれば憤懣遣る方なかろう。僅か6隻の巡視船で広い海域の、後を絶たない中国や台湾の不法漁労船を監視し、うっかりすれば今回の様にぶつけられ、正に命懸けで国を守っている。衝突の後の、船長の逮捕と乗員ごと漁船を拿捕した時は、貧弱な武装しかしていない海上保安官はそれこそ決死の覚悟であったろう。そこまで頑張っているのに、中国側からは自分たちが悪いと非難され、日本の政府はそれに対して一向に反論してくれない。そして、以前僕も指摘したが、今後同じような事態が発生した時に一体どうしたらよいのかの、政府の方針も全く打ち出されない。今度また向こうからぶつけられたら、次は船長逮捕どころか命からがら逃げ帰れと言う事なのだろうか。命を賭けて国を守っている代償がこれでは、誰が考えても可笑しい。日頃海上保安官との接触が多い石垣島の住民が、こぞってビデオ流出犯人を庇う気持ちが良く分かる。違法は違法だし、一個人の判断が許される問題ではないのでやはり犯人は処罰されるべきであるが、人情的には僕も石垣島の漁民に近い。少し乱暴な言い方だが、こういう犯人を作ってしまったのは民主政権の無策と無責任であると言っても過言ではあるまい。
 小沢一郎の国会喚問にしても、菅直人は全く煮え切らない。刑事裁判はクロかシロかの決着だが、国民は本人の口から説明を直接聞きたがっている。今日のNHK世論調査でも、75%の人がそれを望んでいる。小沢一郎も往生際が悪いが、それに輪を掛けて煮え切らないのが菅直人である。菅直人は責任逃れで、この問題では自分は動かずに岡田幹事長に押し付けている。中国漁船々長の中途半端な釈放を那覇地検の責任にして逃げまくっているのと同じ手口である。国会審議も、これが一つの足枷で一向に進まない。本来なら民主党として対応を決め、党員である小沢一郎に国会喚問に応じるように通告をすべきである。それを小沢一郎が拒否したら、先ず党籍を剥奪した上で、国会に次のステップを諮るのが筋であろう。どうしてここまでドンを恐れるのか、過去に資金援助をして貰った事でもあるのか、不思議である。
 鳩山由紀夫は考えも無く放言しては、後から言う事を変えるので世間は振り回されたが、菅直人は何事もはっきりさせない。だから何事もはっきりしないし、政府としての確たる対応も方針も何も見えない。これでは政治が出来る筈がない。こんな体たらくが続くなら、このまま補正予算審議に入らず国会解散するのがベストかも知れない。菅直人は、日本の総理大臣は変わり過ぎだから、衆院任期一杯は自分は頑張ると言っているが、こんな政権に任期一杯頑張られるなどとんでもない。それ迄に日本がどうなっている事か、考えるだけでもおぞましい。