baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 都会の人は服装にも気を遣って

 ここ数日、仕事で連日出歩いていた。東京は天気は良く、青空には雲一つない晴天が続いているが、寒気の南下で昼間でも温度は上がらない。増して日陰に入れば空気が肌を切る様に寒い。そういう時に頻繁に電車に乗り、以前から気になっていた事を想い出した。
 そんな寒さだから、寒さに抵抗力の無い東京の人間は誰しも防寒着に余念がない。それは結構である。お互い、風邪など惹いたら馬鹿々々しい。しかしどうにも傍迷惑なのがフード付きのブルゾンである。より正確に言うと、フードの縁にボアだかファーの付いた、所謂アラスカ・エスキモーの写真によく見るスタイルのブルゾンである。東京でフードを被る事など実際には殆ど無いから、飽くまでもデザイン上の飾りで、実用的な訳ではない。このスタイルのブルゾンが今年は流行りなのか、着ている人がやたらに多いこの冬である。
 このブルゾンは女性に圧倒的に多い。そして何が傍迷惑かと言うと、フードは使わないから背中にぶら下げてある。それが丁度僕ぐらいの背丈だと口や鼻の辺りの高さにボアかファーがある事になる。混んだ電車で、手も自由に動かない処で、鼻の辺りをその毛でコソコソと擽られると一体どう言う事になるかご想像願いたい。混んでいれば顔も思うように背けられない。無理に背けると、横の人の顔と唇がくっつきそうになったりして、これもまた至極具合が悪い。そこまで混んでいなくとも、とにかく毛が顔や顎の辺りをコソコソする事に変わりはない。拷問の責め苦である。しかし当人には何の痛痒もなく、時に携帯に忙しい人だと、無理矢理反り返って胸の辺りにスペースを作ろうとするから、尚更毛が顔に当たる。
 東京の人は電車に乗る。時には電車は混んでいる。自分の服装には、そういう電車に乗る時にはそれなりの気遣いをしてしかるべきだと思う。増してや携帯に忙しくて周りの人の迷惑など全く関知しないのは心底腹立たしい。自家用車での移動が普通になっている外国はもとより、日本でも地方の人はそんな気を遣う事は無い。しかし、東京の様な大都会で電車やバスに乗る人は、本来その位の気は遣うべきである。せめて着脱可能なフードであれば、外してから電車に乗るべきである。僕に言わせれば、その無神経さは混んだ電車の中で鼻クソをほじっている人と同列である。毛のついたフード付きブルゾンを着ているお洒落な若い女性達(時には男性もいる)、貴女(男)方の神経は鼻クソを穿っているオジさんと一緒なのですよ。