baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 余りにも腹立たしい無能な東京電力

 余りに無能な東京電力に、何とも腹立たしくてならない。そしてそれを監督する民主党政権の無知、無為、無策、無能は今に始まったことではないが、やはり民主党政権には緊急時の対応は不可能である事が一層明確になるばかりである。事態が事態だけに早く政権交代をして欲しいのだが、現実はどうも今回の大惨事は政権延命に働いている様で困ったものである。そもそも菅直人は何処に隠れてしまったのか。一番国民を鼓舞し、臥薪嘗胆を求めなければならない総理が一向に顔を露出しない。
 東電が怪しからんと思うのは、第一に福島原発の大事故に関わる対応である。菅直人が突然張り切って地震の翌朝に訪問したので、本来なら翌朝すべき対策を延期したが為に事故が大きくなった、だとか、今回の事故は日頃の機器の保全作業が手抜きだった事が原因の人災だ、とか色々批判がある。そもそも原発の日頃の作業は下請け、孫請けの作業員任せで、東電の社員など見た事も無い、と言う話も聞く。それだけ東電自身に、リスクに対する慣れ、甘さがあり、当事者意識が希薄であると言う批判である。僕もこれだけの事故になったのは何処かに怠慢などの人災の要素があるだろうと勘繰りはするものの、確証はない。何を言われても言い訳の出来ない東電を今憶測だけで批判する事は差し控えておこう。しかし、今後の為にも、一旦落ち着いたら今回の事故の原因分析をしっかり行い、人災の部分も含めて詳細な報告を公表して欲しい。また今回の事故により生じた将来に亘るリスクについても、徒に国民に不安を煽る事は避けなければならないが、国民を安心させるが為に真実を隠蔽する事無く、全てを正直に公表して欲しい。
 話が逸れてしまったが、僕が東電が怪しからんと思うのは、先ずこれだけの大事故を起こして置きながら社長を初めとする責任者が未だに一度も国民の前に現れていない。別に謝れとか何とか言う積もりはないが、責任者として頻繁に国民の前に顔を晒して責任者としての対応を示すべきではないか。社長に限らず福島原発を統括する役員もいる筈である。これだけの事故を起こし、これだけ国民に、いや世界中に心配を掛け、これだけ多くの官民の人間に迷惑を掛けておきながら、役員すら表に顔を出さずに知らん顔を決め込んでいる。この一事からもこの会社の、社会の常識が全く通じない体質が感じられる。そして原発の事故に関する記者会見も全く要領を得ず、書類を見るばかりで顔も上げない平職員がぞろぞろ並んでみたり、見れば見るほど心配になるような対応である。日頃の勉強不足が明らかに見て取れる。現場をろくに知らないのではないかと思いたくもなる。
 次に停電の遣り口である。停電に文句を言う人とは僕は未だ会った事がない。誰も「こんな事態だから仕方が無い、協力は惜しまない」と言う。しかしそのやり方には批判が多い。先ず、時間の区切り方である。こんなに細かく時間を区切ると、一般家庭などへの影響は少ないかも知れないが工場は職種によっては全く操業出来ない会社が出て来る。一旦加工を始めたら止められない、途中で電気が切れたら加工中の半製品は全て売り物にならなくなる、という業種もある。僕の取引先のコーティング・メーカーは一番長い加工には8時間掛る、だから今の時間割では夜しか工場を動かせないと言う。別の金属加工の取引先は、やはり仕掛り中に機械が止まると、仕掛り中の製品は売れなくなるので、停電の予定に合わせて順次切りの良い処で機械を止めて行くので結局は予定時間の20〜30分前には操業が止まってしまうと言う。少しでもこういう事態にも配慮があれば、今やっている様なまるで電力の需給だけを睨んで素人が決めたようなグルーピングと時間割にはならない筈である。
 そして、停電がグループ内全体ではなく一部でのみ停電がある場合にも何のニュースも無いのが酷い。停電が無いのなら工場は操業を続けたい。機械は止める時間が長ければ長いほど企業は損失を出す事になるのだから、少しでも動かせるなら動かしたい。それなのに停電だからと機械を止めて待っていると、何時まで経っても停電がない。その中に予定の時間が過ぎてしまう。だからと言って高を括って機械を止めないでいて停電になれば大損である。こんな馬鹿な話は無い。金属加工会社は、機械は一旦全台止めると、次に全台立ち上げるのに夜間シフトの人員でやれば4時間も掛ると泣いている。自分で営業の苦労もした事がなければ、公共企業だと傲慢な殿様商売を続けて来た東電には、こういう中小企業の細やかな採算追及マインドは全く理解出来ないのかも知れないが、余りにも細かい配慮が無さ過ぎるのである。
 更に腹が立つのは、今日の夕刻になり海江田経産相が突然、このままの電力需給が続くと今日は東京でブラックアウトが発生する惧れがあると、突然の脅迫発表である。これだから民主党の素人大臣は困るのだが、徒に不安を煽るだけの大臣発表など何を考えているのか。こんなセンスだから世の中からガソリンが消え、米が消え、パンが消え、ティッシューが消えるのである。そもそも東電は何をやっているのだろうか。今日は真冬並みの寒さである事は昨日から、或いはもっと前から分かっていた事で、何も今日の夕方になって急に分かった事ではない。それならば、電力需要の予測も昨日から、或いはもっと以前から付いていた筈であるし、もし付いていなかったのなら怠慢以外の何物でもない。そして、夕方から夜に掛けてのピーク時の電力不足が寒さの為にあり得ると予想されるのなら、何も夕方になって慌てて「ブラックアウト」などととんでもない脅迫を交えて節電を呼び掛けるのではなく、もっと前広に穏やかな表現で徹底的な節電を呼び掛けるか、或いは元々の停電の範囲を広げるなりの事前の手があった筈である。鉄道会社も、夕方になって急に運行本数を減らせと言われても、そんなに簡単に間引ける筈がない事は素人でも分かる。東京の電車はローカル線と快速や急行、特急などが複雑に組み合わされて運行されている。東電のようにどれか一つスイッチを切れば、それだけ供給が減らせる訳ではないのは子供でも分かる話である。
 こと程左様に、頭が悪いくせに頭が高く、準備の余りにも悪い東電には呆れ返ると同時に、やはり許し難い腹立ちを感じるのである。もう少し誠意を見せ、国民に分かり易く協力を呼びかけてしかるべきである。普通のサーヴィス会社なら、例えば停電を強いる事態に陥れば基本料金の値引きなどは当たり前の話だが、東電にはそんな事は思いも付かない頭の固さである。僕は気仙沼に行っていた時の事なので確信は無いが、今回の停電騒ぎも最初に発表したのは菅直人ではなかったのか。東電は株式会社の筈だが、やっている事、その緊急時の対応、そのセンスからは、未だに相も変わらぬ官営会社の体質から少しも変わっていない事が覗える。もう少しきめ細かな配慮をし、被災者の事を思い不便を耐え忍ぶ国民に対する誠意のある説明と対応に努めるべきである。
 やはり日本も米国のように、電力会社も競争させなければ駄目かも知れない。