baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 賛否両論の統一地方選と都知事選

 統一地方選挙を予定通りやるかどうかで、賛否両論があるらしい。与野党それぞれが割れていると言う。表向きの理由は勿論、今般の東日本大震災である。しかし政治家はそれほど単純ではないから、今選挙があると与野党どちらが得か、どちらが優勢か、延ばした場合は誰に有利か、等々の読み合戦があるのである。民主党内の延期論は、間違いなく現在の劣勢では選挙を戦いたくないのである。地方選に民主党推薦で立候補する候補がそもそも見付からない、誰も民主党の名前を担ぎたくないと、言うのが最近の傾向であるから民主党惨敗は目に見えているからである。そんな劣勢にもかかわらず、政権は今回の大震災のお陰で延命している。日本は全くとんでもない疫病神に取り憑かれたものである。
 確かに東日本大震災による未曾有の被災者と犠牲者、それに続く福島原発事故による放射能漏洩が日本を揺るがしている。現状では未だ落ち着いて選挙運動をするどころではない、と言う主張は一面尤もである。しかし、今度の震災の復興には相当の時間と国民の出血を覚悟する必要がある。その為には早めに民意を問うて、お互いにしっかりした了解の上に、復興なり復興支援に全力で努力しなければならないと思う。その為には、早めに地方自治議員選挙や首長の選挙をやってしまった方が良い。新しい体制で、その大勢を選んだ住民と一緒に、これから何年も掛けて日本の復興を成し遂げる方が、先の見えた首長や地方議員に惰性で任せるよりは遥かに主体的である。
 東京都では予定通り4月10日に都知事選がある。石原慎太郎が最後の土壇場で翻意して立候補する事になった。都知事選は余り早くから立候補の意思表示をすると負けるというジンクスがあるから、石原慎太郎は最後まで躊躇するポーズを取っていたのかも知れない。他にワタミの会長、渡辺美樹、前宮崎県知事の東国原英夫、などが立候補の意向を表明している。それ以外に泡沫候補が二名いる。泡沫候補は何れもイカサマ人間だから問題外だが、この三人のなかではやはり石原慎太郎が圧倒的に強い様な気がする。勿論その主張は激しいから、都民の好き嫌いも極端だとは思うが、消去法で行くと他の候補は残らないのではなかろうか。石原はもう78歳だから健康に危惧はあるが、今でも週に3日登庁だと言うから未だ続くであろう。美濃部亮吉鈴木俊一も80歳過ぎまで都知事を勤めていた。経験からいってもそのブレない主張から言っても、大東京のリーダーとしては一番安定感があると思う。
 渡辺美樹は政治家としての手腕は全くの未知数である。飲食店チェーンで成功した手腕は認めるが、ワンマン企業の経営者とは異なり、行政をコントロールするのは簡単ではない。ズブの素人にいきなり都政を預けるのはリスクが大きすぎる。素人集団の民主党政権にこれでもかとばかりに国政が毀損されたが、それに負けず劣らず都政が毀損される惧れが大きい。東国原英夫は、宮崎県知事としてはまあ頑張ったかも知れないが、都知事はお笑い芸人が思い付きで成れるほど遊び半分のポストではない。芸人上がりの都知事と言えば青島幸男の悪夢が未だ年配者の間には残っている。こうしてみると、人材不足は国政のみならず都政においても同様である。せめて石原慎太郎を脅かす、若い優秀な政治家がいないものかと思う。少なくとも次期都知事選までには、芸能人上がりや元グラビアアイドルや居酒屋チェーンの創業者などではない、若くて優秀でまともな政治家に出現して欲しいものである。