baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 今日からまたインドネシア

 今朝、成田を発ってまたインドネシアに来た。昨日までは茨城県災害対策本部や茨城県警などの外国人向け発表のインドネシア語翻訳をボランティアで手伝ってきたのだが、流石に今日からは数日お休みする事にした。
 ジャカルタに着いたら、いきなり放射能測定をされた。日本航空の乗客全員がチェックされた。数日前に中国の広州で、深汕から来た日本人観光客2名が通常以上の放射能を帯びていたとして一晩拘留されたようだから、故無しとはしない。しかし中国にせよインドネシアにせよ、検査自体が何処まで信用できるかというと、そちらの方がよほど怪しいのである。
 しかしそういう感想は日本人の歯軋りに過ぎず、シンガポールは関東産野菜や果物を全面的に輸入禁止にしたと言う。どうも、原発事故に対する海外の反応が少し過剰のようである。夕べもまたパリから友人が電話してきて、関西なり海外に逃げたほうが良いと言う。フランスではチェルノブイリの二の舞になりそうだと言う報道があるようで、友人は心底心配している。チェルノブイリ事故とは根本的に種類が違うから、そんなに心配する事はないといくら説明しても、日本政府が本当の事を発表していないから危ないと譲らない。彼は東京にも家があるからパリに帰る程ではない程度に時間が空いた時には普通なら東京で過ごすのだが、来月来る時には空き時間はバンコクに居ようかと思うと言っていた。彼はフランスの報道に汚染されているから幾ら理を説いても無意味であった。
 確かに、日本も頼りない。昨日、福島原発の取水口から330m離れた海水で通常の1250倍の放射性物質が検知されたという報道があった。それが今日になって、東電の検査が間違っていたので再度検査すると言う。誰が考えても、昨日の検査結果の数字が想像以上に波紋を広げてしまったので、もう一度検査してもっと安全な数値に直そうとしているのではないか思える遣り様である。係員はもう体力の限界を超えた任務を背負って、それは大変だとは思うが、こんな大事な事は絶対に間違って欲しくなかった。こういう安易なミスや思慮不足な政府発表の連鎖で、海外の日本に対する信頼が甚だしく落ちてしまっている。
 数日前に、東電の下請け業者の従業員が通常の1万倍の濃度の放射性物質被爆した事故を受け、枝野官房長官が、地下に溜まっていた水がそれ程高濃度の放射能に汚染されていたという事は事前に聞いていなかった、と不快感を示したと言う。枝野官房長官どころか、肝心の被爆してしまった作業員すら何も聞いていなかったそうだから、東電の怠慢、と言うか、下請け軽視は許し難い。しかし東電の現場にしてみれば、別に官房長官や官邸に何か言っても面倒なだけで一文の得にもならないのだから、枝野が不快感を示すのは勝手だが、官邸への報告が遅れるのは当然であろう。責任転嫁に長けた民主党政権の自業自得である。
 こういう、枝野の様な人間は何処にでもいる。何の間違いか肩書きだけは偉いのだが、トラブルがあっても決して主体的には関与せずに批評家的に小言だけ言う人間である。本来、主体的にトラブルに関わって率先して解決に身を挺していれば、報告などなくても自然に最新の情報が入って来るものである。逆に、トラブルから距離を置いて批評だけする人間は、トラブル解決に忙殺されている現場から見れば邪魔にはなれども全く無意味な存在なので、報告なども一息ついた時におざなりにする程度になる。報告しても何の助けにもならないのだから、忙しい最中に報告しようなどと思う人間は余程のゴマ擦り以外にはいないのである。今の官邸はそんな存在であって、現場から見れば無責任で、主体性に欠けているのに、威張り散らすだけの無用な存在に過ぎない。枝野幸男菅直人よりはまだ増しと言われている様だが、所詮は評論家の域は出ていないから現場に無視されても致し方ない。
 それにしても菅直人は何処に隠れているのだろう。大震災以来、直接国民に語りかけたのは僅かに二回だけではないかと思う。これが未曾有の災害に襲われている国を引っ張るリーダーなのであろうか。そして震災被害復興に一銭でも予算が欲しい時に、相も変わらず馬鹿の一つ覚えで子供手当てと高速無料化に拘っている民主党である。その菅直人が人事だけは連発している。災害ボランティア担当、などと言う前代未聞の補佐官に社民党から民主党に寝返った辻本清美を任命、仙石由人は官房副長官に、蓮舩を節電啓蒙担当とこれも訳の分からないポジションに、そして昨日は馬淵澄夫原子力発電所事故担当補佐官に任命したそうである。幾ら人事刷新を図ったところで、訳の分からないポジションに素人がいきなり据えられても指揮命令系統が混乱するだけで、百害あって一利もなかろう。無能無責任宰相のお陰で災害復興に齟齬が生じなければ良いが、とばかり願う毎日である。