baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 信じられぬ枝野幸男〜東電の損害賠償に金融機関の債権放棄発言

 一昨日仕事で金沢に出掛け、取引先の若社長に朝の3時半まで片町を引きずり回され、一昨日も昨日もブログ更新どころではなかった。金沢と言う処は、加賀百万石の伝統を脈々と伝える素晴らしい街であると同時に不夜城の恐ろしい街でもある。
 ところで、東電の福島第一原発事故に関わる東電の損害賠償に関して、枝野幸男が記者会見で金融機関が債権放棄をしなければ国として公的資金を注入する事に国民の理解が得られない、と言う信じられない発言をした。金融機関が債権放棄に応じないのなら国として公的資金の注入はないとまで言ったそうである。これぞ民主党政権社会主義政策が如実に表れたとんでもない発言ではないかと思う。
 原発事故の何処に金融機関の責任があると言うのであろう。原発を持っている電力会社に融資するリスクを言うのであれば、原発建設を推進し、その建設を許可した国に政策責任はあっても、銀行の責任は殆ど無いのではないか。そして、もし銀行が債権放棄を断ったとしても銀行には何ら痛痒は発生しない。それで国が公的資金注入をしなかったとしても、やはり銀行には何の痛痒もない。困るのは東電であり、なかんずく原発事故の被災者である。それで本当に国として手を拱いていられるであろうか。枝野幸男が債権放棄を要求する因果関係が全く分からない。いよいよ民主党ご乱心ではないのか。
 日航の再建でも、金融機関の債権放棄を半ば強制的に引き出した民主党政権であった。しかし日航の場合は、自主再建を銀行団としても実現して貰わなければ全損になるかも知れなかったから、日航との交渉のテーブルに着かざるを得ない事情があった。しかし今回は原発の事故である。原発の安全性にまで金融機関に責任の一半を押し付けるのは余りにも理不尽だと思う。日航の経営不振もそうであるが、原発建設推進は突き詰めれば、政治が色々と口出しをしてやらせた部分が多い。所詮は小沢や菅が自民党にいた時分も含めて、日航や今般の東電の如き経営の行き詰まりには政治の責任に帰する部分が少なからずある。それを、いとも簡単に金融機関に尻を持って行くセンスは社会主義としか言いようがない。
 僕は別に金融機関の肩を持つ積もりはない。しかし、日本経済を浮揚させようというこの時期に、折角不良債権処理が終わりやっと身軽になったばかりの金融機関にまた新たな不良債権を押しつけ、格付けを下げさせようと言うのである。早速今日は日経平均が大幅に下がってしまった。来週は外人の売り越しが続くかも知れない。経済の牽引役は、実は車でもITでもない。やはり金融業界が健全で、積極的に融資出来る環境でなければ経済は上向かない。
 全く支離滅裂で筋の通らない枝野幸男のご乱心発言である。「国民の理解」などと言う抽象的で実体のない言葉で、恰も国民を代弁しているが如き印象を与えるのは間違っている。国民の中の誰がそんな事を言ったのであろうか。民主党の取り巻きや、亡国の社会主義者だけではないのか。今真剣に経済浮揚を考えないと本当に日本の経済は再起不能に陥ると言うこの時に、目先の東電の賠償問題など、四半世紀、半世紀先の日本の将来を考えれば些事である。
 米国からはTPPに参加するかどうかを6月に結論すると言っていながら、全く議論もしていない菅政権を危惧する声が上がっている。各国間のTPP交渉は予想以上に進んでいるそうで、日本が6月にも交渉に参加する事を決定しないと、未来永劫TPPの枠組みに入る事は難しくなると警告されている。無能力の民主党政権は世界の動きから完全に取り残されて、大震災と原発問題だけでアップアップしているが、世界は震災があったからといって日本を特別扱いしてくれる訳ではない。もっと視野を広げて、広範囲な対策を同時併行的に講じないといけない大事な時に、菅直人は無能無策の毎日である。