baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 奸賊、そして独裁者菅直人

 今に始まった事ではないが、菅直人原発運転再開について、昨日またもや突然のパーフォーマンスで実質的な再開延期を独断で発表した。政府内でも全く事前の打ち合わせがあった形跡はなく、慌てなかったのは風見鶏と言われお追従一本の細野豪志だけである。プライドの欠片もない処が菅直人と瓜二つのこの男だけは、今回の菅直人の突然の発表で自分の権限が大幅に拡大し、内心ご満悦なのであろう。逆に、一番惨めなのは海江田万里である。ついこの間までは菅直人のバックアップを得て懸命に原発再稼働に向けて、まず佐賀県玄海原発の運転再開に目途を付けた。あとは菅直人が直接古川佐賀県知事に政府として運転再開したいと言えば良い処まで漕ぎつけていた。
 その言質を取られるのを嫌がった菅直人が突然変心し、海江田万里を裏切り、自己の保身の為に政府としての一貫性などは完全に無視した、無節操極まりない変心をしたのである。格好良いパーフォーマンスには常にシャシャリ出るクセに、責任を取らされる場では常に言質を与えずに逃げ回る。その為には今回のような政策変更でも平然とやってしまう。リーダーとしては最悪の資質である。学生時代に全共闘のアジ演説は巧みだったが、いざデモ行進に移ると必ず姿を消していた、というエピソードが彷彿とする仕振りである。
 今の菅直人を見ていると、もう政権の延命と自己の権力への妄執以外の事は全く頭にないのは明らかである。そして、原発運転再開のハードルを誰にも相談する事無く、独断で勝手に上げたりするのである。その証拠に、今日総理官邸を抗議の為に訪れた古川知事に対応した枝野幸男が「出来るだけ早く(菅総理と海江田大臣の間の)整理をして、分かり易くご説明する」と言っている。つまり官房長官枝野幸男ですら、この菅直人の突然の発言は事前に了解していなかったと言う事である。だから翌日になってすら未だ、きちんとした説明が出来ないのである。
 こんな大事な、日本のエネルギー政策の根幹を成す事項ですら政府内部で事前の打ち合わせが為されていない。菅に事前に言われたのは海江田と細野だけで、それも一方的だったのであろう。こうなるともう日本の政治は民主主義の体を成していない。菅直人という宰相の独裁である。菅直人が思い付きで何かを言うだけで、閣僚を初めとする政府はもう右往左往である。しかも菅直人の発言には全く一貫性がない。その場凌ぎの思い付きばかりだから始末が悪い。その上一旦口にした事も、3ヶ月もするとすっかり忘れてしまって二度と口の端に上る事はない。
 昨日菅直人が突然言い出したのは、各原発のストレス・テストである。名前は格好良いが、日本では未だ詳細は何も決まっていない。これから作業が始まる。欧州では既に域内の140数基の原発全てを対象に、ストレス・テストを実施する事になっており、もう始まっていると言う。その結果が纏まるのは来年の6月、つまり丸々一年は掛る作業のようである。欧州が既に其処まで進んでいるのなら、何故日本ももっと早くから同じ事を検討しなかったのか。それは偏に政府の怠慢であろう。聞く処によれば原子力安全委員会斑目委員長が、各界の識者の意見集約など不可能と放り出したものらしい。斑目春樹という人物には色々と悪い風評が付き纏っているからその位の事は言いかねないと思うが、もしそれが事実なら、そういう時にこそ総理としての指導力を発揮すべきなのに、自分が佐賀県に言質を取られそうになって慌てて隠れ蓑にするまでは、放ったらかしにしていたご都合主義の菅直人の責任は重い。しかしそんな事は何処吹く風、颯爽たる変心である。
 海江田万里は今日の参院予算委で、佐賀県民、玄海町々民に自ら安全を保障したばかりなのに、突然の政府の方針転換にどう責任を取る心算かと自民党議員に追求され、一瞬言葉に詰まり感情に流されそうになったのをぐっと堪えて、「時期が来たら責任を取る」と辞任を示唆する発言をした。たまたまその場面を国会中継で見ていて余りに絶句が長いので、悔しくて泣き出すのではないかと心配になった程である。流石の自民党議員も「貴方の気持ちはよく分かった。悪いのは総理だ」と言っていた。海江田万里も、もう気違い菅の下ではやる気が無いと言う事であろう。当然である。気に入らない民主党閣僚ではあるが、殊本件に関しては僕ですら海江田万里には同情を禁じ得ない。
 他方、野党が総理に何を質問しても、菅直人の答は全く答になっていない。もう開き直っていて、まともに相手にする気が全くないのである。何を訊かれても肝心な答は言わずに、紙に書いてある関係の無い発言か、同じ答弁の繰り返ししかしない。議長も何も注意しない。殊菅直人に関しては、もう国会は議論の場とは言い難い。もっとも今日も自民党議員により、北朝鮮と極めて縁の深い、代表者は極左主義と自称して憚らない、怪しげな市民団体に菅直人政治資金団体から6,250万円の寄付が出されていると言う事実が暴露された。未だ調査不足で迫力はなかったが、菅直人が否定しなかった処を見ると嘘ではないらしい。第三国人から政治献金を受け取ったり、どうにも胡散臭い男である。
 どうしてこれ程悪質な、戦後最悪の総理とまで称される菅直人が何時までも居座っているのであろうか。大きく二つの理由がある。先ずは与太郎鳩山由紀夫が狡猾な菅直人にまんまと騙されて、内閣不信任決議案反対に回った事である。次は、土壇場で勝ち目が無くなったのに、小回りが利かない愚かな自民党執行部が予定通り内閣不信任決議案を出してしまった事である。これで切り札が無くなってしまった。しかしこのまま菅直人の独裁が続くと、どれ程の国難が続くのか想像もつかない。こうなったら日本でもジャスミン革命を引き継ぎ、菅直人を国民パワーで独裁者の地位から引きづり下ろすしかないのかも知れない。国会に「菅直人の辞任」を求めて10万人デモでもするしかないのかと、本気で思う。
 国内が政局に明け暮れて、菅直人が連日思い付きでバカの上塗りを重ねている間にも世界は刻一刻と動いている。菅直人が代表選で目玉にしたTPPと国内農業改革や、普天間基地問題、領土問題、等々の国際問題は一体何処へ行ったのか?FTAで日本に大きく先行している韓国は、今年は貿易が対FTA国向けでは70%拡大したそうである。ところが、こちらの日本国内では電力不足への懸念から設備投資が足踏みしていると言う。そんな雰囲気に拍車を掛ける菅直人の暴走である。こんな事では菅直人が一時期馬鹿の一つ覚えのように言っていたのにもう久しく聞いた事の無い、国内雇用の改善などは益々遠のいてしまう。
 そんな独裁者の周りにはもはや細野豪志江田五月、それに腹の中は分からない策士の亀井静香ぐらいしか見当たらないように思うのだが、他にも誰か揉み手腰折れでうろついているのだろうか。菅直人と言う、思い付きだけで政策には全く一貫性が無く、偏執と妄執だけの男が独裁者に成り上がったお陰で、毎日日本が蒙っている損害は計り知れない。鳩山由紀夫平成の脱税王小沢一郎は平成のラスプーチン、そして菅直人は平成のヒットラーと呼ばれるに相応しい。