良くも毎日、こうも暑い日が続くものよ

　本来なら来週あたりが梅雨明けか、というこの時期にもう連日の猛暑である。東京では家庭でも節電15％と言われているので、我が家だけ知らぬ顔も出来ぬのとて、毎日節電に努めている。と言っても我が家は既に例年エコを心掛けているので、今更節電と言われてももう節約出来る処は殆どない。
　冷蔵庫のカーテンは前から付けている。ただカーテンの下の方が丸まってしまったので、今年は桟を貼って丸まらないようにした。この程度では節電はパーセントでは効いて来ぬのは分かっているが、気は心である。核家族なので、冷蔵庫の開け閉ては元々少ないし、余り庫内温度を低くすると中の物が場所によって凍ってしまうので、これも普段から弱めにしてある。という訳で冷蔵庫は触り様がない。
　照明は、無駄な電気は前から消すように心掛けている。電球は未だLEDにはしていないが、名前は知らないがLEDが普及する直前の省エネタイプの電球に替えてある。一個3千円ぐらいだったから、流石に更に今すぐLEDに交換するのは勿体ない。トイレの電気と換気扇が一つのスイッチで、且つ換気扇だけは3分だか5分だかのオフタイマー・スイッチになっていたのだが、これも大分以前にもう自分で別々のスイッチに付け替えてしまった。小用でまで毎回5分も換気扇が回るのが気に入らずに、秋葉原で部品を買ってきて直してしまったものである。こういう工事は本当は免許が要るのだそうだが、誰にでも出来る簡単な工事である。
　リモコンのスタンバイは電気の浪費であると言う。確かにそうだろうとは思うが、我が家のスタンバイはオーディオとCDラジオが各1台、テレビが２台、炊飯器ぐらいである。DVDプレーヤーは普段は使わないのでコンセントから外してある。炊飯器はコンセントから抜いてしまうと、毎回時計を合わせないといけないので、これは余りにも手間が掛り過ぎる。オーディオとラジオは同様、周波数合わせが全てゼロに戻ってしまうので、これも現実的ではない。テレビだけは数ワットの事なので贅沢をしている。こうして見直してみても、結局エアコンを使わない以外には節電出来る処がない。
　そのエアコンも、例年でも一日中点けっ放しと言う程は使っていないので、これで全体の15％節電と言われれば、もうエアコンを出来る限り使わないこと位しか知恵が無い。と言う訳で、今年は未だ一度もエアコンを使っていない。が、さすがに暑い。3階の我が家は屋根が焼けるので、夜になっても一向に室温が下がらない。典型的な冬は寒くて夏は暑い家に出来ている。天井裏が広々としていた昔の日本家屋が懐かしい。そんな事を思いながら、夜は氷枕を使っている。
　元々エアコンを点けては寝られない性分だったのだが、去年まではエアコン無しではとても寝付けないのでタイマーを掛けてエアコンを点けていた。ところが閉め切った部屋のエアコンが止まると、夜中に暑くて目が覚める事がしばしばであった。それが今年は窓を開け放して氷枕で寝ると、流石に明け方には外気温も下がるので氷が解けても暑くて目が覚める事も無く、夜は節電のお陰で例年よりも心地良いかも知れない。これで寝る前にエアコンを点けて室温を少し下げておければ最高なのだが、今年は贅沢はいけないと戒めている。
　僕が育った家などは、何処かから野良猫が天井裏に入り込んで来て、時々走り回ったりしていたものである。その位天井裏が広ければ風も良く通り、現代の家よりはよほど涼しかった。あの頃は、夜になれば夜風が肌に心地良く、蚊取り線香を点けて縁側で涼んでいれば暑いなどと思った事はなかった。それが今はアスファルトの照り返し、車の排気、ビルや家々で使うエアコンからの熱気で、夜になっても一向に涼しくならない。加えて天井裏のない鉄筋作りの天辺の家である。もう夜中の1時前だと言うのに、窓を開け放った居間の寒暖計は未だ真昼間と同じ35℃を指している。とにかく毎日暑いのだが、被災者や避難住民の事を思いながら毎日気合を入れて頑張っている。それでも、熱中症にだけはならない様に気を付けているつもりである。