baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 相変わらずのガルーダ航空

 今朝、予定通り日本に戻って来た。昨日はガルーダ航空のスケジュールが乱れて、一時はどうなる事かと思ったが何とかジャカルタに脱出出来て予定通り帰国出来た。お陰で、ジャカルタのラウンジでバリの続編を書こうと思っていたのに果たせず、また一日間が空いてしまった。バリの続報は先延ばしにして、今日は如何にもインドネシアらしい帰途の顛末を書こう。
 一昨日、テレビを見ていたらガルーダの一部のパイロットが給与のアップを求めてストをするというニュースがあった。一定の飛行時間を過ぎたヴェテラン・パイロットが昨日ストをすると言うのだが、ストに参加するパイロットの人数は限られているので運行に影響はないとのガルーダの発表であった。
 元々ガルーダと言うのはしょっちゅう発着時間が遅れる飛行機で、今回のように東京への乗り継ぎがある時はかなり危ないから僕は安全を見て一本早い飛行機を予約してあった。時間通りだとジャカルタの乗り継ぎに6時間近く待つ事になるのだが、ジャカルタは飛行場の近くに五つ星ホテルもあるから時間は潰せる。逆に、この位の余裕を見ておかないと何が起こるか分からない。そしてジャカルタ空港のラウンジに入ればインターネットが使えるので、ブログの更新でもしていれば時間は潰せるし、バリの続報を書くのに調度良いと考えていた。
 それでも、バリの飛行場で長く待つのは厭なので、ホテルを出る前にガルーダに確認したが、予約した飛行機は予定通り定刻に発つと言う。それで飛行場へ行った処、何やら様子がおかしい。僕の飛行機の列に並んでいたら、前の方で若い家族連れの、インドネシア駐在と見受けられる日本人が何やら激昂している。覗きに行ったら、この飛行機が飛ばないのは怪しからんと怒っている。要するに僕の予約した便がなくなったらしい。別に珍しい話ではないから、怒っても仕方がない。ところがその日本人が何時までも怒っているものだから、ちっとも僕の番が回って来ない。仕方がないので、横の列の職員を捕まえて話を聞くと、僕の飛行機はジャカルタからバリへ飛んで来て、それからクパンと言う西チモールへ飛び、その帰りにバリで僕等を拾ってジャカルタに戻る飛行機なのだが、未だその飛行機がバリにも着いていないので、帰りは何時になるか分からない、クパンまでは片道3時間半程かかると言う。ここまでは良くある話なので想定内である。だから一便早く予約したのである。
 それでは予定の次の飛行機に予約を変更してくれと言うと、そちらはもう満席だと言う。これで僕も少し気合が入った。乗り継ぎがあるのだが、どうしたら良いか相談したら、他の航空会社に振り替えると言う。それは結構、何時の飛行機かと聞いたら、元々の飛行機から10分遅いだけの4時だと言うから、それなら全然問題ない。恐らく座席が思う様な事にはならないだろうが、1時間45分の事だから其処までは構っていられない。それで良い、と言うと若い職員を呼んで僕のチケット変更を命じてくれた。そこで言われるままに本来のガルーダのチケットと、ちょっと抵抗はあったのだがパスポートを渡し、チェックインロビーの言われた場所で待っていた。
 ところが15分経っても20分経っても、その男は戻って来ない。最初に話をした職員に訪ねても「もう少し待ってて」としか答えない。その職員だって後の事には関与していないのだから、訊かれるだけ迷惑なのは承知しているが、パスポートを持ってかれている不安もあり、何よりも4時までもう幾許も時間がない。仕方がないのでガルーダの事務所にその若い男を探しに行ったが事務所にもいないので、その場にいた職員に訪ねると振り替え先の飛行機会社のカウンターへ行っていると言う。早速教えて貰った場所へ行くと、いたいた、その若い男がいた。
 先ずパスポートはどうなったかと訊くと、もう要らないと無造作にズボンのポケットから引っ張り出して渡してくれた。汗ばんで、すっかり温かくなっていた。次に振り替えの状況を訊くと、6時の飛行機に乗れるという返事である。4時だと言っていたではないか、と重ねて問うと、4時の飛行機はもうボーディングを閉め切ったから6時であると平然と言う。6時でも乗り継ぎには充分に間に合うから、焦る事は無い。実際その時間では4時の飛行機にはもう乗れまいという予感もあった。昔の僕なら先程の日本人ではないが、この辺で切れていたろうが、今は人間が出来て来たので未だ平然としている。と言うより、怒れば怒っただけ無駄に時間が過ぎるだけなのである。インドネシアの人は、怒られようが何をしようが、自分が出来る以上の事をしようとは思わないから怒っても全く無意味なのである。そんな事は随分前から分かっているのだが、実は未だに時々癇癪が爆発してしまう。
 振り替え先の飛行機のカウンターでそのまま待っていたら、切符を渡して貰え荷物もチェックインしてくれた。しかし、こういう時にはチェックイン・カウンターも蜂の巣をつついたような騒ぎであるから荷物のタグと貰った半券が符合しているかも怪しいものである。カウンターの奥まで入って行って自分で確かめたが、流石に間違ってはいなかった。やれやれ、である。そして搭乗待合室へ行くと、こちらもごった返しの混雑である。大分運行時間が狂っているらしく、一部の乗客には食事と水が配られていて、皆床に座り込んで紙箱に入った食事を食べたりしている。当然の事ながら空いている椅子もない。そのうちに当初予定していたガルーダが翌朝の1時5分出発とのアナウンスが流れた。9時間15分の遅れである。実際にはもっと遅れるであろう。今度は僕が新たに振り替えて貰った飛行機の遅れのアナウンスがあったが、こちらは10分かそこらの事なので日本でも良くある話である。
 振り替え先の飛行機は、LCCで有名なエアー・アジアであった。マレーシアがインドネシアにも進出しているようである。座席は酷く狭く、目一杯座席を詰め込んでいる。リクライニングは取り外されている。勿論、水も食べ物も有料である。水や食べ物は有料でも良いが、座席が狭いので、横に超メタボのオジさんが来たものだから、何だか酷く息苦しかった。ジャカルタでは新しく出来た第3ターミナルに着いたので、真新しいターミナルを見られて、それは良い経験だったけれど、また国際線のターミナルへ移動したりと結構時間が掛り、国際線のラウンジではメールの処理もそこそこに直ぐに搭乗時間になってしまい、ブログ更新どころの話ではなかった。
 それにしても、肌寒いほど涼しいバリから蒸し暑い東京へ戻り、早くも音を上げている。