baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 友人の快気祝い

 今日は先月腫瘤摘出手術をした、中学時代の友人の快気祝いの集まりがあった。以前に何度かこのブログに登場している、中学時代の仲間が集まったものである。当の友人はもう連日のように出歩いているそうで、毎日暑さにへこたれている僕と比べると、どちらが病み上がりだか分からない。元々マメな男ではあったが、話を聞けば聞くほど僕よりもよほど元気なのである。
 毎日抗ガン剤を飲んでいるので、副作用で少し顔がむくんでいるし、薬を飲んだ直後は吐き気もあると言う。吐き気を避ける為に、毎朝飲むと言う薬を寝る前に飲む事にしたそうである。この抗ガン剤が滅法高価なもので、1錠3,000円する物を毎日4錠づつ飲むのだそうである。これからずっと飲み続けるようだから、大変な事ではある。
 それにしても、未だ退院してから一月と経っていない。それが食事は普通にバクバク食べるし、お酒も飲む。彼の場合は腫瘤は胃の外側に出来ていて、内壁は傷付いていないから食欲には影響がないらしい。腸を大小とも少し切っているのでビールのような炭酸飲料は飲まないが、顔色も会うほどに良くなって、顔のむくみを別にすればまるで健常人である。今日は女性だけが集まる快気祝いの前のお茶会に顔を出し、快気祝い、二次会と、まるで疲れを見せずに最後まで付き合っていた。酒など、手術前より強くなったのではないかと思える程で、快気祝いでは日本酒を、二次会ではウィスキーのハイボールをガブガブ飲んでいた。
 中学の仲間にはガンの経験者が彼を含めて4人いて、4人とも頗る元気である。うち1名は来月からまた抗ガン治療を始めると言っていたが、残りの2名はもう5年生存しており取り敢えず治癒したようである。他にもつれあいをガンで亡くした者もいる。4人の中では来月から抗ガン治療を再開する男には、一時は暫く心配させられたがこの頃は病気の事を知らなければまるで普通の人になった。顔がふっくらとして顔色も良く、よく飲みよく食べる。その彼が、最近亡くなった原田芳男が車椅子で映画の試写会で挨拶に出て来た姿をテレビで見て「あっ、これはもう長くないな」と思わず口にしたら、奥方に「自分だって一時はあんなだったのよ」と言われたと言っていた。事実、昔は顔はげっそりと痩せこけ、長く座っていると疲れてしまってすぐ横になったりしていたから、今は隔世の感である。気の置けない仲間とこうして集まるのも、元気の源らしい。皆しょうも無い事で良く笑う。
 最近の医学は大したもので、もうガンと聞いても誰もへこたれなくなっている。それでもガンは中々全治はしないから、これからもずっと闘病を強いられるのであろうが、彼等は堂々と「ガン友」と称してお互いに励まし合っている。こうして何時も皆が元気な顔で集まれるのは幸せな事である。