baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 台風来襲

 大型台風がまた上陸した。台風15号である。昔はこの時期の台風は若くても20号代であったが、今年は5月から台風が来ているのに未だに15号と、台風の数は極めて少ない。しかしどの台風も足が遅くて、何日も日本の近くに居座って何時まで経っても衰えずに、しつこく大雨を降らせるので性質が悪い。今度の15号も大東島の辺りで迷走じみた一回りをしたりしながらも一向に勢力は衰えず、突然昨日から四国、中国、近畿で暴れ出した。昨今の気候の大きな変動は海水温を高くし、台風の素行まで煩わしくして呉れている。
 東京には雨台風は時々来るけれども、風雨の強い本格的な台風は最近は滅多にやって来なくなった。今度の台風は久しぶりに、強風を伴う台風らしい台風である。今晩は僕が幹事をする飲み会があったのだが、10時過ぎにキャンセルした。電車が止まって集合出来なくなるのが不安だったのである。総勢8人だったが、誰からも文句は出なかった。
 僕の住む杉並区には昼過ぎに洪水警報が全区に発令された。雨脚は朝のうちは気紛れに降ったり止んだりであったが、急に強くなって来たのは昼過ぎ辺りからである。3時ごろからは今度は突然風が強くなって来た。その少し前にいよいよ浜松に上陸したとのニュースである。
 それからは風雨がどんどん強くなってきた、4時半頃には雨が完全に真横に降っている。これ程酷い風雨は久しく見た事が無い。荒々しい風は、少し怖いような、でも何故かもっと吹いて欲しいような、凄まじい勢いである。隣家の大木は枝も折れんばかりに撓っている。裏を覗けば、少し離れた処のアパートの二階から、住人が心配そうに外を眺めている。仕事から普段より早く帰って来たのであろう。その家の軒下に吊り下げてある何かが引き千切られんばかりに風に振られている。遠くの方で何か少し重そうな物が、ガランガラン、ガッシャンと大きな音を立てた。
 八王子では4時半に風速41mを記録したと言う。新幹線は昼過ぎから止まったが、郊外電車や首都圏のJRも次々に運行取り止めとなった。まるで3月11日の再来である。ところが、そんなに荒れ狂った嵐も、6時半位に急に大人しくなり、雨は小降りになり風も治まって来た。台風が行き去ったものである。テレビニュースによれば、都心で6時に風速36mを記録したと言う。そんな強風は暫く記憶にない。これから北関東や東北に向かうのだろうが、特に震災被災地に大きな被害が出ない事を祈るのみである。