baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 転倒その後

 先日のバイクで転倒した記事が大反響を招いてしまった。僕としては恥を忍んで、起きた事故をあるがままに淡々と書いたつもりだったのだ。ライダーとしては転倒は未熟の証だから、例えそこに不運が幾つか重なっていたとしてもこの上ない恥である。いや、不運がなければそもそも転倒は起きない。だから本当に恥を忍んで、事故の状況を細かに書き綴ったものである。ところがあちらこちらからメールが届き、「トトロのシュークリーム」以来の騒ぎになってしまった。圧倒的に多かったのが怪我の心配と、病院に行けというお叱りであった。何とも恥入る次第である。
 だからと言う訳ではないのだが、一向に腫れは引かないし、何よりも内出血が広範囲に黒ずんで来て自分でも見ると気持が悪くなる程になってしまった。そしてもう5日も経つというのに、痛みも余り軽くならない。これは素人診断だけでは少し無謀だと思い直して、今日病院へ行って来た。2時間半も待たされた挙句に、やっと看てくれた医者が一目見てこりゃ折れてるかもしれない、何れにしても車椅子だ、といきなりのご宣託。その上痛い処を強く押されて、思わず飛びあがってしまった。だから病院は厭なのだ。
 診察室で車椅子をあてがわれて、浴びたくなかったレントゲン室へ行かされた。車椅子は8年前に1ヶ月お世話になっているので、慣れたものである。その8年の間にレントゲンもIT化していた。フィルムはもうなくなっていて、コンピューターで直接画像をやりとりするシステムに変わっていたのである。以前ならレントゲンを撮った後にフィルムの現像をまた10分も20分も待たされたものだが、今は待たなくて良くなったので大変助かる。右足首ばかりレントゲン写真を6枚撮って、それでまた診察室へ戻ったら、医者は旧態以前でフィルムを蛍光板に挟んで写真を見ている。パソコンのモニター画面では見難いものであろう。見ているのは、6枚も撮ったのに1枚だけである。せめて2〜3枚も挟んでくれていたらこれほどがっかりしなかったものを。診断は、幸運にも骨には異常はない、ただ相当の重傷であるから恐らく靭帯がかなり損傷していると思われる、ストレスを掛けないように車椅子か松葉杖を遣いなさい、二週間後に再診の事、と言うもので結局のところは湿布をされただけであった。
 結果は僕の診断も、治療法も正鵠を射ていたのであった。医者が全く信用出来ない国に通算16年半も駐在して得た医療知識のお陰である。だがこれで終わった訳ではない。今度はリハビリ室へ行かされ、松葉杖の練習をさせられた。医者に車椅子と松葉杖の選択をさせられたので、迷わず松葉杖を選んだからである。松葉杖は通勤にも使った事があるぐらいなので、練習とは名ばかりで、直ぐに貸し出し用の松葉杖一対を調整して貰って借り出して来た。ところが領収書を見ると、初診料を含む診察料を1とすると、リハビリ費用が1.7、レントゲンが2.3である。どう考えても、何もしなかったリハビリ費用は高すぎる。松葉杖の費用は別なのである。レントゲンもせめて半分、3枚撮れば充分だった筈である。診断はたった1枚のレントゲン写真で下したのだ。釈然としないものが残った。それでも骨に異常がなかったから、今日は有頂天である。昨日あたりから実は少し不安が萌していたのである。もう後は時間の問題だと気が軽くなった一方、松葉杖を持たされたら何だか急に痛みが酷くなったような気がする。