baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 今日から出張

 今日からまたインドネシアに来ている。本来は明日はゴルフの約束があって、リノベーションの終わった昔懐かしいジャカルタのゴルフ場で数年振りにプレーする事になっていたのだが、残念ながら足の怪我で流石にゴルフは無理なのでキャンセルさせて貰った。ならば仕事は月曜日からだから、明日出発に変更すれば良いのだが、飛行機が満席でスケジュールの変更が出来なかったのである。ビッコをひきひきホテルから外出するのも面倒だし、明日はホテルの部屋で一日暇潰しをしなければならない。
 出掛けに困ったのが、靴が入らない事である。そもそも足が腫れている上に、湿布薬を貼っている。その上から包帯を巻いていたのだが、包帯を巻けば靴など履ける道理もないので包帯は止めて絆創膏にしたのだが、それでも普通の靴は足が痛んで到底履けるものではない。色々やってみて、デッキシューズの紐を思い切り緩めると、デッキシューズは靴が浅いので何とか足を押し込む事が出来た。出掛けから難儀な事である。成田へは何時も通り新宿西口からリムジーンに乗る。普段は土曜日は新宿から成田への高速はそれ程混まないのだが、今日は三連休の中日だからか、東関道から九十九里や房総半島へ行く道に分かれる宮野木JCTでは、そちらに向かう車の車列がずっと東関道にまで連なって一車線が占領されていた。天気も良い行楽日和で、皆外に浮かれ出てきたようである。ただ、全般に車は普段の週末よりは少し多かったかも知れないが、スムーズに成田に到着する事が出来た。
 成田に着いて改めて気付いたのだが、日頃は気にもしなかったターミナルビルが随分と大きな建物である。医者は松葉杖で歩けと言っていたが、勿論そんな物を持って出張の荷物は持てないから松葉杖は家の玄関に飾ったままにしてある。だから成田ではビッコをひきひき歩くのだが、そうして歩いて見ると随分と広いのである。平らな所をゆっくりと、変に捻ったり曲げたりしないように気をつけて歩いていればそれ程痛む訳ではなく元々松葉杖は少し大袈裟なのだが、広いターミナルの中をヨタヨタ歩くのは時間が掛かっていけない。日頃せっかちに早足で歩くものだから、時間の見込みが大幅に狂ってしまうのであった。
 ラウンジに入ると、手もみのマッサージをどうぞと入り口の案内嬢が言う。如何いうマッサージか分からないが、飛行場のマッサージは足裏マッサージが多いので今日はとんでもない、マッサージは丁重にお断りして僕はいつもの、痛み止めの薬にもなる液体を頂戴した。しかしラウンジにマッサージ・チェアは以前からおいてあったが、手もみマッサージは始めてであった。怪我が治ったら一度試して見ようと思う。
 ターミナルビルが広いのはジャカルタ空港も同じ事で、入国審査の行列のなるべく前に並ぼうと何時もなら猛烈な早足で歩くのだが、今日は端から諦めてゆっくり歩くしかない。行列はあっという間に長蛇の列になるので、今日は入国審査に随分と時間を食われてしまった。列に並んでいる横を、さっきまで世話をしてくれていたキャビンアテンダントが僕の顔を見てにこやかに会釈しながら通り過ぎてゆく。彼女たちは乗務員専用カウンターがあるから入国審査で並ぶ事はない。僕もASEANカードが取れれば外交官と同じカウンターで入国できるのだが、うちのような零細企業ではそれも出来ない。今日はどうにもならずに諦めるしかなく、彼女たちに笑顔を返すのが精一杯であった。
 数日前の新聞で、現在のジャカルタ空港が手狭になったので別の場所に新たにもっと大きい空港を2020年位までに建設すると言う記事を読んだ。更にその翌日には、新空港事業には日本の円借款を付けることでインドネシアを訪問中の枝野幸男経産相が合意したという記事も出ていた。最近第3ターミナルが完成したばかりではあるが、確かに今のスカルノ・ハッタ空港は狭い。島嶼国のインドネシアは国内線の航空網が非常に発達しており、また航空会社も10社を下らないのではないかと思う程沢山ある。だからターミナルが三つあっても第1と第3は国内線専用であり、国際線ターミナルは第2ターミナルだけである。ここに到着便が3便も重なるともうお手上げなのである。
 ただ、新たな空港の建設予定地は、新聞記事だけでは正確には分からないが、交通渋滞が凄まじい地域のように見えた。もしそれが当たっているとすれば、周辺に工業団地が沢山あり、日系企業が多数進出している地域である。その辺りからジャカルタに午後戻ろうとするととんでもない交通渋滞で、高速道路でありながら40−50km走るのに4時間ぐらいは平気で掛かってしまう事もある。空港を作るのならジャカルタ中心部との間が短時間で移動可能な専用高速鉄道と専用高速道も併せて建設しないと、とても実用には耐えないと危惧される。