baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 パレスチナが国連へ加盟申請

 パレスチナが国連への加盟申請を明日にも提出すると言う。そしてパレスチナ暫定自治政府アッバス議長が、国連総会で演説をすると言う。アメリカとイスラエルはこれを押し止めるのに躍起である。加盟申請が為されても、アメリカが安全保障理事会常任理事国の特権という時代遅れな制度で拒否権を発動するから、加盟が認められる事はないのだが、アメリカとイスラエルが国際的に反パレスチナで孤立するという構図を避けんが為に躍起になっているものである。
 常識的に考えれば、1948年にパレスチナの地に土足で踏み込んで来ていきなり新しい国を建国した、そのイスラエルが既に独立国として国連に加盟しているのに、今のイスラエルの国土も含めた土地を有していたパレスチナが未だに国として認められないのは片手落ちである。他方でイスラエルにしてみれば、あくまでもパレスチナを自国の影響下に留め置き、軍事的にも経済的にも実質的にイスラエルのコントロール下に置いておかないと夜も眠れぬと言う処であろう。何しろ人様の土地を暴力で分捕った上に、未だに領土を拡張し続け、爆弾と砲弾と銃弾で無辜のパレスチナ人の血を流し続けているのだから、パレスチナが自立したら落ち着いていられる筈がない。それどころか、ゆくゆくは領土を併合してしまおうと言う魂胆かも知れない。国内のイスラムイスラエル人や先住のパレスチナ人を追放する動きも、先の長い陰謀の一端かも知れない。何しろ急進的なユダヤ人に懸かれば、自分達のみが神に選ばれた民族であり、パレスチナの地は自分たちが神から与えられた土地であると言う、何千年も前の神話に固執しているのだから。もちろんその時が来るのは今世紀か、来世紀か23世紀か、何れチャンスがあればと言う事だろうが、そのためにも先ずはパレスチナが自立しない方が色々とやり易い。
 米国はと言えば、次の大統領選挙を睨んだ選挙戦が既に始まっている。経済復興が思うに任せず、表立っては言われないが人種差別もあって、オバマ人気は一向に回復しない。従いオバマとしてはユダヤ人社会を絶対に敵に回す訳には行かない。だから他国の主権を無視した乱暴極まりないテロ行為でオサマ・ビン=ラーデンを闇雲に殺害したり、パレスチナの加盟申請を何とか翻意させようと必死だが、同時に申請が為されようが為されまいが米国の中東和平に対する考えは変わらない、と既に予防線も張っている。
 事イスラエルが絡む問題になると、米国はやる事が滅茶苦茶になる。政府がユダヤ人社会に首根っこを押さえられているから力学的に已むを得ない部分もあるのだが、日本はこの問題にどう対応するであろうか。日米同盟が日本の安全保障の根幹であり、東アジアや南西太平洋の平和の鍵である事は論を待たないが、中東問題では日本は米国追随ではなく独自の公平な立場を貫かねばいけないと思う。間違っても米国一辺倒の、イスラエルに偏った判断は下すべきではない。日本が真の平和を希求するのなら、中東和平問題はその根幹をしっかり見据えて判断を下す事が求められる。余りイスラエル批判を露骨にすると見せしめに日本の金融界がユダヤ人社会に血祭りに上げられる可能性も否定できないので、慎重さが求められる事は当然だが、しかし矜持を保って公平な振舞いに徹して欲しいものである。