baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 許し難い平岡秀夫法相のサボタージュ

 平岡秀夫法相の秘書官が辞任したと言う新聞記事が載っていた。その秘書官は過去に詐欺罪で有罪判決を受けた事があるそうである。スキャンダルが一番怖い政治家の秘書官としては、詐欺罪で有罪というのは最も相応しくない人物であろう。
 しかし政治家の秘書官と言うのは、全ての人がそうかは知らないが、僕の知る限りでは普通の人種ではない。例えば、僕が現役時代に外地で面倒を見た衆議院議員の秘書に到っては、議員のいない夕食の席で業者が持ってくる封筒の中身を自慢話にしていた。聞き様によっては「お前も頼みごとがある時はその位が相場なんだよ」と言っているようでもあった。その時の何とも狡そうな目付きとドスの効いた口のききようは、詐欺師かヤクザのそれであった。大したこともない先生の秘書でさえ、その有様である。因みにその先生は次の選挙で落選した。だから政治家の秘書が詐欺罪で有罪になろうが、石川知裕水谷建設から何千万円という現金を代理受領していようが別に一向に驚くには当たらない。
 それよりも、僕は平岡秀夫の公然たるサボタージュの方が余程問題ではないかと思う。この男は法務大臣という、日本の法律を護る立場にありながら、就任早々日本の法律の一部には従わないと宣言したのである。こんな男を法務大臣に就けておく事自体が野田佳彦の誤りである。何を言ったかといえば、自分は死刑制度に反対だから死刑執行の署名は行わない、と宣言したのである。自れの職務放棄である。
 僕は死刑制度には反対である。何度かこのブログにも書いているが、人道的見地からではなく自分が裁判員裁判裁判員になった時に誰かに死刑を宣告するのが厭だからである。しかし、刑法が改正されるまでは死刑という制度がありそれが法律で決められているのだから、法治国家としては死刑を執行し続ける必要がある。僕だって、幾ら厭でも裁判員になって死刑が妥当な量刑であれば死刑を宣告せざるを得ない。それが法律と言うものである。ところが平岡秀夫は、自分の立場も顧みずにこの部分の職務を初めから放棄しているのである。その結果今は死刑囚が110数人も収監されたままになっており、過去最多の記録更新を続けている。
 死刑を見直す議論は進めたら良い。その結果多数が死刑廃止を支持するなら法改正をして、死刑に替わる重い刑罰を決めて死刑を廃止すれば良い。しかし、法改正もせずに自分は反対だから死刑執行は差し止める、などという暴論を閣僚が平気で発言するようではとても法治国家とは言えないではないか。それは一閣僚の、権力を笠に着た専横でしかない。日本の法律を遵守する気のない平岡秀夫は、せめて法務大臣は早く辞任すべきである。秘書の過去の詐欺行為など、今自分がやっているサボタージュに比べれば取るに足らない些事である。辞任するのは秘書ではなく、本人であるべきなのだ。