baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 サラ・パレツキー

 サラ・パレツキーのV.I.ウォーショースキーシリーズは愛読書である。最新刊の「ウィンター・ビート」を今日読み終えた。最近は少し冗長になっているきらいがあるが、ストーリー・テラーとしてのサラ・パレツキ―は健在である。一旦このシリーズは筆を置くと宣言された時には心底がっかりしたものだが、そのシリーズが復活したのである。主人公のヴィク、何となく頭の中ではジュリア・ロバーツをイメージしている女性なのだが、がもう50歳に近付いたらしい。そのヴィクがこのシリーズでは全裸でステージに上がるのだから、随分思い切ったものである。それが実話であったら、果たして見たかったか見たくなかったか、本物のヴィクを知らないので何とも言えない処である。
 最近僕は眼が衰え、集中力が衰え、すっかり読書のスピードが落ちてしまったので、読みたい本が山積みでこういう時間潰しの娯楽本は余り読まないようになったが、このシリーズとパトリシア・コーンウェルだけはやはり読まずにはいられない。老眼鏡を買えば大分改善されるのかも知れないが、眼鏡は面倒で使いたくない。
 今度の本も面白く、あっと言う間に読んでしまった。ただ、このシリーズの邦訳のタイトルには何時も疑問があるのだ。例えば今回の「ウィンター・ビート」も原題は「ボディ・ワーク」である。本を読めば「ボディ・ワーク」と言うタイトルが実に的確なタイトルだと直ぐに分かるのだが、それが如何して「ウィンター・ビート」などと訳の分からない題名になるのかが理解出来ない。他の本のタイトルも同様で、お陰でこのシリーズの文庫本は二度までも、同じ本を二度買う羽目に陥った。題名を見ただけではストーリーが連想できないのである。翻訳者にお願いなのだが、無理に意地を張って別のタイトルを付けずに、どうせ英語をカタカナにしたタイトルを付けるのなら原題をそのままカタカナにして欲しい。そうすれば悪戯に出版社や翻訳者に無駄な印税を払わなくても済むのである。