大学祭

　母校から大学祭の案内が来た。何かの折に見も知らぬ後輩に、と言っても1.5ジェネレーションくらい下の子に、寄付をせがまれて、大した額でもないのだが寄付をしたので律儀に案内を送ってくれたものである。大学は僕が通っていた頃の場所から既に移転していて、その昔は巣鴨の昔日の面影が残るそれなりに良い立地にあったのが、今は郊外に移ってしまって少しも懐かしいと言う感慨もない。キャンパスが広くなっただけなので、一度だけ新キャンパスを見に行って以来、足も向かなかった。それでも今年は案内を貰ったので、バイクで行けばそれ程遠くもないので、思い立って夕方になってから行って見た。
　若い人達は楽しそうであるが、やはり年寄りは殆ど見掛けない。現役時代は勉強よりも熱心だったオーケストラ部が開いている模擬店に立ち寄ってみたが、大先輩と言われてもどうして良いか分からない現役がドギマギしてしまい、会話もまるで続かないので気の毒になり、早々に退散した。やはり学園祭は現役のお祭りで、ＯＢはお呼びではなかったようである。でも、その若いエネルギーと楽しさだけは充分伝わって来たので、若かりし頃の事を想い出し、それなりに満足して帰って来た。それにしても、学生さんは若々しくて、希望に溢れていて羨ましい。