baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 ひねもすのたり

 東京も朝晩は大分冷え込むようになってきた。それでも昼間はたいそう温かく、未だ冬が来たと言う実感が湧かない。そんな日中に、明日からの出張で現地の人に頼まれた物を買いに新宿まで出掛けた。最近新宿西口の地下駐車場に二輪車時間貸しの場所が出来たので、大荷物がなければ二輪車で出掛けるのに大変都合が良くなった。
 駐車場から地上に顔を出せば、大変な人出である。未だボーナスには早かろうに、巷は既に年末商戦の趣であった。日頃通勤もせずボーナスなどと言う物からも遠ざかって久しいので、この頃は季節の移ろいに疎く、今日は聊かはっとさせられた。出掛けたついでに年末ジャンボを買った。今年は何だか例年とは違う予感があったのだが、いざ売り場に着いた時はそんな予感も何処へやら、またまた今年も300円しか戻って来ないであろうと言う現実に立ち返った。「今年は違う」と言うのは予感ではなく、単なる希望に過ぎなかったと覚ったのであった。更に、新宿か銀座でしか買えない来年の暦を買った。昔僕がジャカルタに駐在していた時に毎年父が年末に送ってくれた、鳩居堂で売っている「わらべごよみ」と言う切り絵をあしらった小さな卓上暦である。着物を着た童をモチーフにした日本的な図柄が気に入っていて、亡父の想い出が重なる事もあって毎年買っている。

 家に帰ったら大相撲は千秋楽の終盤であった。稀勢里の取り組みは見られなかったが、昼のニュースで大関昇進が確実になった事は知っていた。ちょっと前なら琴奨菊が負けて、稀勢里が晴れの大関昇進となるのが協会の筋書きであったろう。そんな事はどちらでも良いのだが、二場所連続で日本人大関が誕生するのは、取り敢えずはめでたい事である。白鳳はと言えば、残念ながら結びで把瑠都に腕力負けしてしまったが、表彰式の後のインタビューは圧巻であった。話の内容も多彩で面白かったが、日本語が素晴らしかった。敬語も少しも間違えない。NHKの若いアナウンサーに爪の垢を煎じて飲ませたい、過剰でもなく過小でもない、絶妙な言葉遣いであった。定めし日本の文化や言葉も勉強したのであろう。今や日本人顔負けの大横綱になった。
 ここ数日、ブログの難しさを痛感している。僕と異なる意見は大歓迎なのだが、以前からの僕のブログを読んでいない読者には僕の本意が伝わっていないと言う危惧もある。呆け防止にと気楽に始めたブログだが、つくづく難しいものである。そこで気分直しに、今日は僕が腕を奮ってロールキャベジを作った。酷く器量の悪い、しかし頗る旨いロールキャベジが出来て少し溜飲が下がった。