baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 続ジャカルタ近況

 ジャカルタの渋滞は最近はとみに酷いが、今日の夕方は日頃のその酷い渋滞に更に数倍輪を掛けた渋滞であった。余りの渋滞に僕は同乗させて貰っていた車でホテルまで送ってもらうのは余りにも気の毒と思い途中で車を下り、流しのタクシーを捕まえようとした。ところが空のタクシーは沢山走っているのだが乗車拒否をして止まってくれない。溢れ湧いて来るオートバイに接触しそうになりながら流れを掻き分けて強引にタクシーを捕まえようとしても、乗車を断られる。普段なら乗車拒否など考えられない当地のタクシー事情なので何が何だか訳が分からず、既に陽が落ちて暗くなった道端で一人、一時は本当に途方に暮れてしまった。しかし諦めて佇んでいても何の解決にもならないので、必死の思いで端からタクシーを止めていたら其の中にやっと一台止まってくれた。
 聞けば今日は7時からベッカムLAギャラクシーインドネシア選抜のサッカーがあるので皆家路を急いでいるのだそうである。タクシーの乗車拒否もそうかと聞いたら、タクシーの運転手も何処かでテレビを見るのでこの時間は仕事をしない者が多いと言う。逆に「旦那はサッカーは見ないのか?」と訊かれてしまった。ホテルに戻りテレビを点けたら、昨日まで余り売れていなかったチケットは既に完売していると言う。サッカー試合があれば乱闘事件や路上の車に火を放つのが珍しくないほど熱くなる当地の事である。やっとそれらしくなって来た。
 試合が始まると、インドネシア・チームはよく走り必死にボールをキープする。個人技は結構上手だから玉保ちは悪くないし、足も速いので競り合っても簡単には負けない。身体は比べるべくもなく中には親子ほどの選手もいるのだが、以外に当たり負けせず頑張っている。恐らくボールの保持率ではインドネシアが圧倒的に上回っていたであろう。シュート数も前半だけでインドネシアは10本以上だったのに対しギャラクシーが4本位である。ところがその4本の内の1本はゴールラインを割り、ゴールポストで跳ね返ったのが2本もあったのに対し、インドネシアのシュートは数ばかりでまるで敵を脅かさないのである。シュートの精度と敵陣のゴール前での連携プレーの差は歴然であった。それでもギャラクシーにとっては予想に反した強敵であったようで、前半10分ぐらいからは顔色を変えて結構ラフプレーもしていた。結局前半は1-0でギャラクシー優勢で終わったが、後半戦は約束があって出掛けざるを得なかった。しかし前半戦の試合振りであれば、インドネシアは敢闘し、試合も面白くした事であろう。ただ前半戦のオーバーペースで後半戦スタミナ切れになっていなければ良いのだが。
 ニュースは相変わらず東カリマンタンの橋の崩落事故を追いかけている。今日はダイヴァーが出動して行方不明者を探している。水深は深い所で55m位だと言う。波は静かだが流れは速いらしい。崩落時に、乗用車に加えバスが数台川に落ちたと言う事で、犠牲者の数は未だ特定できていないが50人は下らないと言う。今日は行方不明者5人が遺体で見付かったので、死者は18人になった。ここのテレビニュースは平気で遺体を映すので、日本人には少々どぎつい。この橋の保守は前副大統領のユスフ・カラが経営するブカカと言う会社が請け負っていたとの事で、ブカカの事情聴取も始まった。勿論警察が捜査に乗り出しており、橋梁の鉄材サンプルなどが警察研究所に送られている。しかしこういう事件はそのうちに有耶無耶になってフェードアウトしてしまうのが当地の常である。汚職に大物が関わっていればいるほど尻切れトンボになってしまうのである。
 日本の国会の党首討論の場で、山岡賢次が居眠りして舟を漕いでいるところが当地のテレビに写っていた。