baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 近来稀な寒い冬

 昨今の東京は例年になく寒い日が続く。毎日日差しはあるのだが、余りの寒さに20日に降った雪が未だに溶けず道端で、北側の日陰で、バイクカバーの上で、バリバリに凍りついている。昼間表面が少し溶けたのが夕方にパリパリに凍るので、まるでスケートリンクを歩いているような趣で、足下が覚束なくて仕方が無い。これ程寒い東京は珍しい。明日の朝は最低気温が都心で氷点下と言うから、23区内とは言え都心から外れた我が家の辺りでは氷点下3-4℃、これはいよいよ半端ではない。
 もっとも僕が小学校の頃は、恐らく毎朝がこんなだったのだとう思う。朝、学校に通う途中にある防火用水には、子供なら乗っても割れないぐらい厚い氷が張っていた。井戸端のバケツの水も凍っていれば、東京でも軒下にツララが下がっていたりもした。そんな中でも僕は半ズボンにソックスで学校に通っていた。子供は風の子、などとおだてられ、寒いのを痩せ我慢した事もあった。でも周り中が似たような格好で、皆貧しく物が無かったのである。だから夕方の落ち葉焚きの温もりが得も言われず心地良く、そこにサツマイモを埋めて焼く焼き芋はこの世の物とは思えぬ美味なのであった。今時ならさしずめコンビニのおでんか肉まんなのだろうが、そこにはそんな安直には味わえない、ワクワクする時間があった。
 しかし一旦安直に慣れてしまった今の体には、やはりこの寒さは厳しい。折から送られて来たクレジットカードの広報誌に、タヒチ諸島のクルーズの記事が紹介されていた。何とも温かそうで、豪華で、心惹かれる。クルーズとまでは行かずとも、せめて行きつけのバリに避寒でもできれば極楽なのだが、残念ながら今は仕事も財布もそうは問屋が卸してくれそうもない。また気の重い確定申告の時期が到来する。