baiksajaの日記

目前の一秒を大切に

 貿易赤字が現実に

 総務省が今日発表した貿易収支は、予想通り2兆5000億円の赤字だったそうである。2週間前に既に予測され、本ブログでも話題にしたばかりである。だから覚悟の上ではあったが、いざ現実にこれだけの赤字を突き付けられれば、心は穏やかではいられない。
 資源のない日本が輸入超過になってしまえば、先日も書いたようにいくら配当やら金利やらの収入があって多少の穴埋めは出来るにせよ、やはり日本経済がジリ貧になるのではないかと気が気ではない。それでは如何したら良いのか。専門的な話は専門家に任せ、専門家の意見の具体化は政治家に任せるとしても、ただ心配しているだけでは余りにも無責任なので、僕なりの素人考えを述べたい。
 少し前に本ブログでTPPについて書いた。TPP加盟交渉に参加するか否かは、正に天下を二分する大問題である。そして反対派にも色々な論拠があるのだが、その内の一つは国内農業が壊滅してしまうという危惧である。それに対して僕は色々意見を述べたが、僕の意見に対して、食料は多少高くても安全な物を買いたいと言う、僕の意見に賛同する意見が多数寄せられて意を強くしたものである。
 同様に、物についてもやはり良い物は多少高くても日本の消費者は従いて来ると思う。そうであれば、日本の寄って立つ道はやはり物造りしかないと僕は信じている。先ずは創意工夫に満ちた素材作りである。そして、その創意工夫は簡単には国外に出すべきではない。随分と心の狭い意見だが、当分は背に腹は代えられない。そして良質な、他に類のない素材と、何時まで経っても壊れない丈夫な物であれば、多少高くとも需要は必ずあると思う。安全な食料と同様、良質な物、壊れない物には自ずと需要が付いて回るであろう。そうであれば、日本メーカーは安易に国内産業を空洞化させずに国内に踏み止まって頑張って欲しいと切望する。日本のメーカーが国内で歯を食いしばって頑張ってくれれば、何れは日本の国内マーケットが再び日本経済をけん引する時が来ると思うのである。
 しかし、企業は株主に対する責任もあり、ただ頑張れと幾ら外野からエールを送っても頑張れるものではない。企業に頑張って貰う為には、政府がそれなりに打つべき手を着々と打って呉れなければ困る訳である。先ず第一に法人税の早期引き下げ、次に、電力は焦眉の急であるが、電力も含めたエネルギーの国際競争力のある価格での安定供給、それから安価な単純労働力の自由化などが取り敢えず思い付く処である。僕は以前は労働力の自由化には反対の立場であったし、本ブログでもそんな意見を書いた覚えがある。しかしここまで日本の経済構造が追い詰められてしまえば、そんな理想論はもう言っていられない。貿易赤字が定着してしまう前に、日本の産業構造をもう一度見直し、必要な労働力の供給にはフレキシブルに対応出来る制度を整え、将来性のある産業構造に転換しなければならない。看護師や介護士の海外からの雇い入れを拒む障壁は、その典型であり国辱ものである。日本の産業構造を転換しなければならない時期は既に到来している。政局で現を抜かし、次の総選挙での獲得議席数を皮算用したりしている余裕はない。